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雄の三毛猫が貴重なわけ…!? [科学]

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三毛猫のオス.jpg
とっても貴重で、数万匹に1匹しか産まれないそうです。
この子、2000万円。ドッヒャー(゜∇゜)

アンビリバボーより

福を招くと言われている、三毛猫のオス。
見るだけでも、皆さんが幸せでいられますように。
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『遺伝子がわかる!』(池田清彦/ちくまプリマー新書)
2008年7月10日 初版代一刷発行

(P114から引用)
 ヒトをはじめ高等な哺乳類ではX染色体の不活性化はランダムに起こる。受精卵が発生をはじめて数日後に一本を残してあとの遺伝子は不活性化される。この状態は細胞分裂を通して遺伝される。X染色体の不活性化はX染色体上の遺伝子が発現することにより起こるらしいが、この遺伝子を活性化させるメカニズムはよくわかっていない。二本のX染色体のうちの一本がランダムに活性化(不活性化)されることにより色々と興味深い現象が起こる。たとえば三毛猫である。三毛猫は白と茶と黒の三色の猫だ。すべての猫は白い毛を作る遺伝子は持っているが、白以外の部分を茶にするか黒にするかはX染色体上の遺伝子で決まる。
 雄のネコでは基本的にX染色体は一本しかないから、ここには茶の遺伝子か黒の遺伝子しか乗っていない。従って雄猫は白茶か白黒にしかならない。ところが雌では、もし、XXの片方に茶が乗り、もう片方に黒が乗っていると、どちらかの染色体がランダムに活性化されることにより、皮膚の表面がランダムに白、茶、黒の三色になるのだ。極めてまれに雄猫でも三毛になることがあるが、調べてみるとこの猫の染色体はXXYであることがわかる。哺乳類ではY染色体があれば基本的には雄になるが(次節で述べる)、この場合でもXXのひとつはランダムに不活性化されるので、三毛猫ができても不思議ではないのだ。
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三毛猫の雄.jpg
 通常の雄猫の染色体はXYなのです。X染色体が一本なので、白茶か白黒になるのです。ごくまれに、染色体がXXYの雄猫がいるそうです。そのXXYのうちのXX染色体が、茶と黒の組み合わせの場合には、三毛猫になるとのことです。
 XXY染色体を持っていても、そのうちのXX染色体が、黒と黒の組み合わせなら白黒になり、茶と茶の組み合わせなら白茶になるので、三毛猫にはならないのです。
 雄の三毛猫が滅多にいないのは、まず、XXY染色体を持つ雄猫がまれにしかいないのです。さらに、そのうちのXX染色体の遺伝子が黒と茶の組み合わせの場合に限られるからとのことです。

 ちなみに、
「雄の三毛猫には生殖能力が無いので、子孫を残せない」
という未確認情報もありますが、この本に書いてあることが事実だとすると、迷信ではないかと思います。

(by 心如)
 

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敵がいると形態が変わるなんて…!? [科学]

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『「進化論」を書き換える』(池田清彦/新潮社)
発行 2011年3月25日

250px-Daphnia_pulex.jpg
 表現型多型の中で最も興味深いのはミジンコであろう。ミジンコは捕食者のユスリカやフサカの幼生の存在によって形態を変化させる。ミジンコは捕食者が存在しないと頭が丸いだるま型になるが、捕食者の存在下では個体発生の経緯を変更して頭に突起を持つヘルメット型に育つ。これは捕食者であるフサカなどの幼生が放出する匂い物質により誘導されることがわかっている。この匂い物質が遺伝的カスケードを多少とも変化させてヘルメット型のミジンコが生じるのである。
 ヘルメット型のミジンコは捕食者に食われる割合が低く適応的であるとされる。生物が環境に適応して可塑的に形態を変化させる仕組みがどのように進化したかは興味深い。このようなエピジェネティックな進化は、遺伝子の突然変異によりまず形が微妙に変化して、それに自然選択がかかって漸進的に進化するというスキームでは説明できない。もちろん結果として自然選択が働き、捕食者の存在下でヘルメット型ミジンコを誘導する遺伝的カスケードの存立を強化していることは確かだが、表現型多型を誘導させる、細胞内の内部環境やゲノムの進化メカニズムに関しては別種の説明が必要であろう。
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 過去記事で、ミジンコは遺伝子的には人類よりも優れているということを書いたことがあります。池田清彦氏の著書を読むと、ミジンコは敵(捕食者)の有無という環境の変化に応じて発生時に形態を変える能力を持っていると書いてあります。

 ミジンコには、人間にはない優れた能力が備わっているのです。

 人間は、もう少し謙虚になるべきではないかと、私は思います。

(by 心如)
 

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武田邦彦氏のブログ [科学]

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http://takedanet.com/2011/07/post_f88a.html
武田邦彦(中部大学)
『夏を乗り切る放射線対策』

静岡のお茶がパリで輸入を止められました。日本が汚染物質を誤魔化して出さないように全ての産業の人は、日本の子供たちが瀋陽のない国に住むことにならないように、誠意を尽くしてください。

 誤)日本の子供たちが瀋陽のない国に
 正)日本の子供たちが信用のない国に

(平成23年7月9日 午前11時 執筆)
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http://takedanet.com/2011/07/post_5d33.html
武田邦彦(中部大学)
『牛肉と牛乳について』

日本の多くの人、子どもを抱えているお母さんは、安心な牛乳を求めておられます.是非、生産者は「汚れている牛乳を絶対、出火しない」と決意して欲しいと思います.

 誤)「汚れている牛乳を絶対、出火しない」
 正)「汚れている牛乳を絶対、出荷しない」

(平成23年7月9日 午後9時 執筆)
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 武田教授は最近テレビに出演する機会も多く、お忙しいのだと思います
 しかし、こういう誤変換が放置されていると、せっかく良いことを仰っているのに勿体無いと思うのは私だけでしょうか…

(by 心如)
 


考える管である…!? [科学]

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『動的平衡』(福岡伸一/木楽舎)
2009年2月25日 初版 第1刷発行
2009年4月28日    第6刷発行

 人間は考える管である

 そもそも、私たちの遠い遠い祖先は、現在のミミズやナメクジのような存在だった。彼らの姿こそが、私たちの原型なのである。彼らはまさに一本の管。口と肛門があり、その間を中空のチューブが貫いている。
 ミミズにもわずかに目の原型のようなものがあり、進む向きがあり、土を食べる側があるので、かろうじてどちらが口で、どちらが肛門か判別できる。まだ、脳と呼ぶべき中枢の場所は定かではない。神経細胞は、消化管に沿ってそれを取り巻くように複雑なネットワークを形成しつつ分布している。
 彼らは人間の消化管と同じように、緻密な蠕動運動を行って食べ物を消化・吸収し、さまざまな反応を行い、環境に適応して生きている。
 意外なことに、脳がないとはいえ、ミミズは、あるときは葉っぱのどちら側を咥えれば巣穴に運び込むのに都合がいいのか、迷いつつ「考え」さえしているのである。
 これらの生命活動は、消化管に沿って分布する神経ネットワークによってコントロールされている。もし、彼らに「君の心はどこにあるの?」と訊ねることができ、その答えを何らかの方法で私たちが感知することができたとすれば、彼らはきっと自分の消化管を指すことだろう。
 優れた「脳」、つまり中枢神経系を持った私たちにも、消化管に沿って緻密な末梢神経系が存在している。
 そして、脳で情報伝達に関っている神経ペプチドと呼ばれるホルモンとほとんど同じものが、消化管の神経細胞でも使われていることが判明している。これらの神経ペプチドがいったいなぜこれほど多種類、大量に消化管近傍に存在するのか、そしてそれらが日々、いったい何をつかさどっているのかは未だによくわかっていないのである。
 第六感のことを英語では、ガット(gut=消化管)・フィーリングという。あるいは意志の力をガッツ(guts)と呼んだりする。「ガッツがある」と言うときのガッツである。
 私たちは、もっぱら自分の思惟は脳にあり、脳がすべてをコントロールし、あらゆるリアルな感覚とバーチャルな幻想を作り出しているように思っているけれど、それは実証されたものではない。
 消化管神経回路をリトル・ブレインと呼ぶ学者もいる。しかし、それは脳と比べても全然リトルではないほど大がかりなシステムなのだ。私たちはひょっとすると、この管で考えているのかもしれないのである。
 極言すれば、私たちは一度、かつてダーウィンがそうしたように、ミミズのあり方をじっくりと観察したほうがいい。そしてもう少し謙虚になるべきなのだ。私たちは、たとえ進化の歴史が何億年経過しようとも、中空の管でしかないのだから。
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 人間の遠い遠い祖先が、ミミズやナメクジの仲間だったなんて

 英語ではガッツ(guts)というけど、日本語でも腹が据わるとか、肝っ玉がでかいというので、消化管の近傍の末梢神経が、人間の精神活動になんらかの関わりを持つ可能性は否定できないかもしれません

 「人間は考える管である」というのは本当かもしれませんが…

 日本国の内閣総理大臣である菅氏は、自分の政権延命しか考えてないみたいですね

 どうせ考えるなら、国民のことをもうすこし考えて欲しいと思うのは、私だけしょうか。。。

(by 心如)
 

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年20ミリSvは安全なのか…!? [科学]

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http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110428/219677/?P=3
『長期微量被曝はどれくらい危険か』
2011年5月2日(月)

〔国際放射線防護委員会の見積もりの式〕

 低線量被曝について、国際放射線防護委員会(ICRP)の見積もりの式をご紹介しておきましょう。

癌死亡推定人数 = 0.05×総被曝線量×被曝人数

 例えば、毎時10マイクロシーベルトでこれからの1年間、人口10万人の都市が被曝し続けるなら、
0.05×0.00001×24(時間)×365(日)×100000(人)
=438(人)
 10万人当たり438人、つまり0.44%弱の人が、この被曝に起因する癌で亡くなる可能性がある、という見積もりです

 あるいは、毎時0.1マイクロシーベルトで1年間、人口1000万人の年が被曝したとすれば、
0.05×0.0000001×24(時間)×365(日)×10000000(人)
=438(人)
 1000万人あたり438人、つまり0.004%程度の人が、この被曝に起因する癌で亡くなる、やはり可能性がある、という以上のことを、この式は言っていません。

【参考リンク】
『間違った情報なら、ない方がマシだ!』
『「プルトニウム測定器」のお粗末はもう勘弁』
『これからの「放射能」の話をしよう』
『「放射能」でなく「放射線」の正体を知ろう』
『食べるベクレル、浴びるシーベルト』
『なぜ原子炉の冷却に長い時間がかかるのか』
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 癌死亡推定人数 = 0.05×総被曝線量×被曝人数

 この数式が正しいとすると、20ミリSvは0.02Svなので、
0.05×0.02=0.001 となります

 これは、成人が20ミリSvの放射線に被曝した場合、癌になる確率は千分の一だということを意味します。

 胎児や乳幼児、子どもなどは成人よりも三倍は放射線に対する感度が高いという学説があるそうです。

 よって、胎児や乳幼児、子どもが年20ミリSvの放射線に被曝した場合は、千分の三の発癌率だと考えてよいと思います。

 成人ならば、年20ミリSvの被曝によって、千人に一人が癌になる計算です。

 子どもの場合は、年20ミリSvの被曝によって、千人に三人が癌になる計算です。

 この計算をみて、安全だと判断するのか、あるいは危険だと判断するのか、それは政府でもなければ、学者でもなくて、あなた自身の頭で考えるべきだと、私は思います。

 ただし、放射線は目に見えません。年間に何Svの被曝をしているのかを正確に知る方法があるのかも問題ですし・・・

 今の、政府のいうことを真に受けていたら、自分と子供や孫の安全は守れないのが、悲しいけれど現実のようです。。。

(by 心如)
 


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予知や予測は無理では…!? [科学]

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http://www.asahi.com/science/update/0408/TKY201104080142.html
『専門家、M7級余震続く可能性指摘 注意呼びかけ』
2011年4月8日12時42分

 宮城県沖で7日深夜に起こったマグニチュード(M)7.4の地震は、3月11日のM9の地震の余震と見られる。気象庁や専門家は、今後も同規模や、さらに大きい余震が起きる可能性を指摘、注意を呼びかけている。
 7日深夜の余震は、プレート(岩板)境界で起きた本震と異なり、沈み込む海のプレートの内部で起きた。震源の深さは約40キロ。M7を超える余震は、3月11日に茨城県沖で起きたM7.7を含めて4回目。震源が陸に近かったこともあり、余震では最大の震度6強を観測した。
 名古屋大の山岡耕春教授は「揺れは地震の規模と震源からの距離、地盤構造などで決まる。6強の場所は、比較的揺れやすい地盤だった可能性もある」と話す。
 気象庁によると、余震は8日午前0時までに、震度4以上のものだけで93回起きた。気象庁は大震災後、大きな余震の発生確率を発表してきた。当初は3日間は70%の確率でM7以上が起こるとしていたが、徐々に確率を下げて4月6日には今後3日間に震度5強の余震が起こる確率を10%としていた。今回の余震で、確率が変わるかどうかについて「計算しなければ分からない」としている。
 確率は低くなっても余震の警戒は必要。梅田康弘京都大名誉教授は「M9の地震だと、少なくとも半年はM7級の余震を覚悟しなければならない。今回の地震もその一つで、本震より深い場所で起きたため、大きな津波はなかったが、引き続き注意が必要だ」と指摘。東京大地震研究所の平田直教授も「本震よりマグニチュードが1小さい、M8級の余震が起こる可能性も残る」と話す。
 過去には、本震の数カ月後に大きな余震が起こった例もある。2004年12月のスマトラ沖地震(M9.1)では、約3カ月後の05年にM8.6の地震が起きている。
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 記事の中に、
「今回の余震で、確率が変わるかどうかについて「計算しなければ分からない」としている。」
とあります。
 しかし、本当は「計算しても分からない」のが実際ではないかと疑っているのは、私だけでしょうか。

 地震がどうして発生するのかはある程度は解ってきているようです。しかし、いつ、どこで、どのくらいの規模の地震が発生するかは、誰にも分からないのが実際のようです。つまり、地震の予知や予測なんてものは不可能なのです。

 そうではないと言う人がいたら、どうして東日本大震災の発生が予知や予測できなかったのか、説明しろと言いたいです(他の記事に書きましたが、三陸沖では、過去200年間に、四回も大きな地震が発生して、津波の被害を受けているのです)。

 また、「東京大地震研究所の平田直教授も…」と、記事の中にあります。
 私のような慌て者が読むと、東京大地震の研究所と勘違いしてしまいます。こういう場合は、『東京大学地震研究所』と省略しないで表記してもらえれば、勘違いがなくて良いのではないかと思いますが… (そんな勘違いをするのは、私だけですけどね^^;)

(by 心如)
 

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想定外と言えるのか…!? [科学]

 東日本で発生した大震災を、1000年に一度の想定外の大災害だと政府やマスコミは言っていますが、果たしてそうなのでしょうか?

 気になるので、手持ちの事典で調べてみたら…

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さんりくおきじしん【三陸沖地震】
 岩手県沿岸部三陸地方東方沖の日本海溝付近は外側地震帯にあたり、昔から大規模な地震が多く、震央が海中にあるのと、海岸に凸凹が多く津波の被害が大きいのが特色。
 古くは869年(貞観11年)、1611年(慶長16年)の両年が大きく、また1677年(延宝5年)、1836年(天保7年)、1856年(安政3年)の各年の地震にも大津波を伴った。
 明治以降では、1896年6月15日(全半壊流失家屋1万0617、死者2万7122人、津波の高さ岩手県綾里湾で30m)、1933年3月3日(家屋損失9000、死者2986、津波の高さ綾里湾で24m)の三陸沖地震があった。
〔百科事典 マイペディア 電子辞書版〕
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 記録の確かな1800年代以降だけをみても、1836年、1856年、1896年、1933年と、過去200年間に4回の地震と津波の被害を受けているのです。

 1000年に一度の大災害というのは甚だ疑問だと言わざるを得ません。

 なぜ政府とマスコミは、ちょっと調べてみたらすぐにばれるこのような嘘をつくのでしょうか?

 福島第一原子力発電所の事故を、想定外の不可抗力だったと言いたいからでしょうか…


 こんな大災害が起きたときこそ、『国民の生活が第一』ではないのでしょうか?

 想定外だといえば許されると本気で思っているのだろうか…

 政府とマスコミは、主権者である国民を欺くようなことをしないで欲しいと思うのは私だけでしょうか。。。

(by 心如)


【参考URL】
『明治三陸地震』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%8E%E6%B2%BB%E4%B8%89%E9%99%B8%E5%9C%B0%E9%9C%87
『昭和三陸地震』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%AD%E5%92%8C%E4%B8%89%E9%99%B8%E6%B2%96%E5%9C%B0%E9%9C%87
 

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「地球温暖化」ってなに? (1) [科学]

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島村英紀 地球温暖化ってなに.jpg
『「地球温暖化」ってなに? 科学と政治の舞台裏』(島村英紀/彰国社)
2010年8月10日 第1版発行

 はじめに

 京都議定書の「次」が決まっていない。決める期限はすでに来てしまった。
 1997年に世界各国の代表が京都に集まって決めた京都議定書は、当時の先進各国に温室効果ガスを削減する数値目標を義務づけたものだった。
 しかし、この議定書は2012年までのことしか決めていない。その後は、新しい取り決めが各国の合意でつくられない限りは白紙なのである。
 いままで何回も開かれた「その後」を決めるための国際会議は、各国の主張が入り乱れ、結局、何も決まらなかった。なかでも、次回の取り決めからは新たに規制を課せられる可能性が強い中国など開発途上国の反発が強かった。ちなみに、中国の二酸化炭素排出量は大方の予測よりも数年も早く、2007年に米国を抜いて世界一になった。しかも、さらに増えることは確実だ。
 新たな議定書をまとめるための努力は続けられているが、そもそも議定書という合意がつくられるのかどうかをも含めて、予断は許さない。「科学」の名で各国を説得することは、もうできなくなっているのである。
 なぜ、このようになってしまったのだろう。
 地球温暖化問題は、もともとは科学の問題だった。しかし、いまや国際政治にとってのきわめて大きな問題になっていて、この本にあるように各国の思惑が渦巻いている。
 一方、哀しいことに、環境問題での科学者の役割は、ほかの誰かが決めた政策に説明をつけて補強する程度のものに下落してしまっている。
 なぜ、そうなってしまったのだろうか。いままでの科学では解けなかった部分の解明を、世界は、あるいは国際政治は待ちきれなかったのか、あるいは、科学とは所詮、その程度のものだと見くびられてしまったのだろうか。それを考えてもらうために、この本を書いた。
 この本はもともと、私の本『地震学がよくわかる―誰も知らない地球のドラマ』をつくってくださった彰国社の編集者・中神和彦さんから「地球温暖化を語る前に、もっと必要なものが抜け落ちているのではないか。地球の歴史やメカニズムを知っておいてほしいという視点から本を書いてほしい」と頼まれたことからはじまっている。
 たしかに、あまたある地球環境の本のなかで、地球環境や地球温暖化が、科学としてどこまでわかっているのか、まだわかっていないことはどこに問題があるのか、といったことを書いてある本はない。その意味で、この本の存在価値があるのだろう。
―――

 「哀しいことに、環境問題での科学者の役割は、ほかの誰かが決めた政策に説明をつけて補強する程度のものに下落してしまっている。」という記述がみられます
 これは、もともと地球温暖化とは科学的な問題だったはずなのです
 いつのまにか、科学が政治に利用されているようです
 科学の果たす役割が、政治の手段となっていることを意味しているのでしょうか
 科学者の言っていることが、政治家にとって都合のよい事だけを並べたものにすぎず、科学的な事実とは必ずしも言えないとしたら、私も哀しいことだと思っています

(by 心如)
 

「地球温暖化」ってなに?―科学と政治の舞台裏

「地球温暖化」ってなに?―科学と政治の舞台裏

  • 作者: 島村 英紀
  • 出版社/メーカー: 彰国社
  • 発売日: 2010/07
  • メディア: 単行本


 

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インフルエンザの予防接種は有効なのか? [科学]

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『なんとか復活です。』
40.2とか40.7 (@_@)
http://mizusato-gakuto.blog.so-net.ne.jp/2011-02-15
―――

 いわゆる「新型インフルエンザ」と呼ばれているインフルエンザに、予防接種をしていた方が罹ったとのことです
 しかも、40度を超える熱が出たそうです
 インフルエンザの予防接種をしておけば、その型のインフルエンザには罹りにくいし、もし罹っても症状が重くならないという話をよく聞きますが、どうもそうではない場合もあるみたいです
 医者や製薬会社が、予防接種の有効性を謳うのは当然です
 だって、それを飯のタネにしているのですから…

 ちなみに、私自身はまだ新型インフルエンザと呼ばれているインフルエンザには罹っていません
 もちろん、予防接種なんてしていません(だって、注射が嫌いなんですから…)

 新型インフルエンザの予防接種を受けた人の何パーセントが新型インフルエンザに罹っているのか?
 その場合の症状は本当に軽くてすんでいるのか?

 そういうデータはきちんと公表されているのだろうか…

(by 心如)
 

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ミジンコ遺伝子、人間をしのぐ…!? [科学]

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http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110204-OYT1T00057.htm
『ミジンコ遺伝子3万1千個、人間を大きくしのぐ』

ミジンコ.jpg
 【ワシントン=山田哲朗】湖水などにすむミジンコが約3万1000個もの遺伝子を持つことが分かり、米インディアナ大を中心とする国際チームが4日付の米科学誌サイエンスで発表する。
 人間の遺伝子は約2万3000個に過ぎず、ミジンコの遺伝子はこれまでゲノム(全遺伝情報)が解読された動物の中で最多となる。研究チームは、甲殻類では初めてミジンコのゲノムを解析した。ゲノムのサイズは人間の7%程度にもかかわらず、たんぱく質を作り出す遺伝子はぎっしりと詰まっていた。
 ミジンコは、有性生殖と、自分のコピーを作る単為生殖を使い分けたり、魚など捕食者が出す化学物質を探知して防御のトゲを増やしたりして、環境に適応する。遺伝子の多さはこうした適応能力に一役買っている可能性があるという。

(2011年2月5日15時05分  読売新聞)
―――

 人類は、不遜にも、自分たちを「霊長類」という名で分類しています
 しかし、遺伝子レベルでみたら、ミジンコのほうが人間よりも複雑な遺伝子を持っていることが判明したのです
 環境適応能力に関しても、有性生殖と単為生殖を使い分けるなど、ミジンコのほうがどうも優れているようですが…

 まだまだ、調べていない生物が沢山いるのです
 実際に調べてみたら、人間より複雑な遺伝子を持つ生物がもっと沢山いるかもしれません

 生物多様性の保護なんて、カッコいいことを言う人がいますが、所詮、人間の知識なんて浅はかで不完全なものでしかないと思います
 その人間が、保護すべき生物と駆除すべき生物を選択するなんて、そんなことして大丈夫かと心配です


 ミジンコの遺伝子は、人間の遺伝子を大きくしのいでいるのです

 人類が、地球の支配者であるかのような不遜な考え方は捨てるべきです

 そのほうが、人間のためではないかと私は思うのですが…

(by 心如)


【参考URL】
『ミジンコ』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%82%B3
 


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