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敵がいると形態が変わるなんて…!? [科学]

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『「進化論」を書き換える』(池田清彦/新潮社)
発行 2011年3月25日

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 表現型多型の中で最も興味深いのはミジンコであろう。ミジンコは捕食者のユスリカやフサカの幼生の存在によって形態を変化させる。ミジンコは捕食者が存在しないと頭が丸いだるま型になるが、捕食者の存在下では個体発生の経緯を変更して頭に突起を持つヘルメット型に育つ。これは捕食者であるフサカなどの幼生が放出する匂い物質により誘導されることがわかっている。この匂い物質が遺伝的カスケードを多少とも変化させてヘルメット型のミジンコが生じるのである。
 ヘルメット型のミジンコは捕食者に食われる割合が低く適応的であるとされる。生物が環境に適応して可塑的に形態を変化させる仕組みがどのように進化したかは興味深い。このようなエピジェネティックな進化は、遺伝子の突然変異によりまず形が微妙に変化して、それに自然選択がかかって漸進的に進化するというスキームでは説明できない。もちろん結果として自然選択が働き、捕食者の存在下でヘルメット型ミジンコを誘導する遺伝的カスケードの存立を強化していることは確かだが、表現型多型を誘導させる、細胞内の内部環境やゲノムの進化メカニズムに関しては別種の説明が必要であろう。
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 過去記事で、ミジンコは遺伝子的には人類よりも優れているということを書いたことがあります。池田清彦氏の著書を読むと、ミジンコは敵(捕食者)の有無という環境の変化に応じて発生時に形態を変える能力を持っていると書いてあります。

 ミジンコには、人間にはない優れた能力が備わっているのです。

 人間は、もう少し謙虚になるべきではないかと、私は思います。

(by 心如)
 


【参考URL】
『ミジンコ』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%82%B3

「進化論」を書き換える

「進化論」を書き換える

  • 作者: 池田 清彦
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/03
  • メディア: 単行本


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コメント 4

旅爺さん

ヘルメット型のミジンコは捕食者に食われる割合が低いとは・・・・・・
爺もヘルメットかぶろう。

by 旅爺さん (2011-07-20 19:29) 

shira

 ミジンコって、意外にマニアが多いんですよね。可愛いということで。
by shira (2011-07-20 20:31) 

吟遊詩人41

ミジンコが議員だったら日本も良い国に(^^♪
by 吟遊詩人41 (2011-07-20 21:02) 

大将

環境などによって形態そ変えたりする生物も
ミジンコ以外にもいますよね
そんな優れた生態を持つものがたくさんいる事を人はもっと知るべき
そして、人間が一番なんて考えは早々になくさなくてはいけませんね
by 大将 (2011-07-20 22:55) 

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