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エイズの起源は、生体実験だった可能性も…!? [科学]

 〔過去記事: エイズって?⑥ 起源はどこ?? より転載〕


地球.jpg


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『科学は錯覚である』(池田清彦/洋泉社)
1996年1月25日 初版発行

(13頁より引用)

 ここでごく簡単にエイズという病気を見ておこう。エイズはHIV(Human Immunodeficiency Virus ヒト免疫不全ウイルス)の感染によって生ずる病気である。この病気はごく最近になって人類に取りついたものであるのは確からしく、公式にわかっている限りでは一九七九年にゼロ号患者と呼ばれるガエタン・デュガがニューヨークで発病している。彼は一人で数千人にエイズを感染させた事でも知られている。また確認されている限りで最も古いエイズ感染の記録は一九五九年にさかのぼる。この年に死んだマンチェスターの船員の血液とザイールに保存されているこの年の血液からエイズの抗体が確認されたからである。今の所それ以前にはエイズの抗体は確認されていない。エイズがいかなる経路によって人類に取りついたかは不明であるが、定説は、アフリカのごく局地的な地方病が、一九六〇年代から七〇年代にかけてのアフリカの飢饉にともなう人口の大移動で都市に持ち込まれ、それがアメリカの同性愛者に感染して一九八〇年代初頭からの爆発的な大流行のもととなったというものである。それでは最初の局地的な地方病としてのエイズはどのようにして始まったかというと、サルのエイズウイルスが何かの偶然でヒトに入ったのだと言われている。

 それに対して、エイズは欧米人が人工的に流行らせた病気だとの説もある。畑中正一の最近の著書『現代ウイルス事情』(岩波書店)によれば、マラリアの予防実験のためにチンパンジーやマンガベーの血液が人間に注射されたことがあると言う。さらにそれらの人々の血液を別の人々に注射することも行われたと言う。これらの実験は一九二〇年代から四〇年代にかけて行われたが、マラリアの予防という観点からはすべて徒労であった。

 さらに、第一次世界大戦が終わった頃から、若返りのためにチンパンジーの睾丸を取り出してスライスして、男性の下腹部や陰嚢に移植する手術が行われた。このような実験を通して、チンパンジーやマンガベーのエイズウイルスが人類に入り込んだのではないか、というわけである。現在、欧米や日本で流行しているタイプのエイズウイルスはHIV1でチンパンジー型であり、西アフリカで流行しているタイプはHIV2でマンガベー型であることも、このような推論の傍証になる。マラリアや精力減退をコントロールしようとした科学技術(医学)がコントロール不能なエイズを作り出してしまうという話は極めて象徴的である。環境をコントロールして、夏は涼しく、冬は暖かい住居を作るための科学技術がフロンと二酸化炭素を排出し続け、コントロール不能なオゾン層の破壊と地球温暖化を招いていることと、これはまさに同型である。制御可能性から制御不能性へと、世界をささえるコンセプトは今、急転換しつつある。
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 人間を救うはずの医学が、『エイズ』という厄介な感染症を、人類に持ち込んだ可能性があるのは事実のようです。

 マラリアの予防が目的ならまだしも、精力減退の制御を目的とする生体実験が、サルからヒトにエイズを感染させたのだとしたら、マッドサイエンスと言わざるを得ません。

 非加熱血液製剤を安全だと言って、薬害エイズを広めた御用学者は言語道断です。業務上過失致死罪にすべき事例ではなかったかと…

 狂牛病の発生も、人間の浅はかな、目先の利益を追うことが原因だったと記憶しています。ある意味、自業自得と言えるかもしれませんが…

 医者や製薬会社の研究者が、新しい薬を開発するためや既存の薬に効果があるか確認するために、鳥インフルエンザ・ウイルスを人間に感染しやすい型に変異させて、薬の効果があるかどうか実験しているという記事を、ずっと前に読んだ記憶があります。
 その実験に使った、ヒトからヒトに感染する、毒性の高い鳥インフルエンザ・ウイルスが、万が一、実験室の外に漏れたら、想像を絶する惨事になるのは間違いないと思います。

 医者や研究者が、そんなミスをするはずがないと思う人がいるかもしれません。でも、実際に、スペイン風邪のインフルエンザ・ウイルスが研究のために保存されているそうです。それを、どこかの研究者が誤って外に漏らしてしまった事例があったのです。そのために、多くの人が、免疫のない古い型のインフルエンザに罹り、抵抗力や体力の弱い人が死亡したのも事実なのです。

 過去にあった事故が、将来には絶対に起きないという保証はないのです。核戦争で人類が滅亡する可能性はかなり低いが、実験室から有害なウイルスが漏れてしまい、人類が滅亡する可能性はあると予測されているのです。

 鳥インフルエンザが、自然界で、ヒトからヒトに感染する型に変異したのか、あるいは実験室で人工的に変異させたものが外に漏れたのか、普通の人には確認の方法がないのです。もし、そのような事故が起きたら、ミスをした研究者や研究所が、正直に発表するとは思えません。

 医学の進歩が、医者や製薬会社に大きな富をもたらしているのは事実だと思います。でも、その医学が一歩間違えば、人類滅亡の原因にもなり得るということを、医者や研究者は肝に銘じて欲しいと思います。

 たった一人の研究者が、故意または不注意で、大惨事を引き起こす可能性があるのですから…

(by 心如)
 

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計算が合わないが…!? [科学]

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http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2830135/7817623
ニュートリノの速度は光の速度より速い、相対性理論と矛盾 CERN
2011年09月23日 12:19 発信地:パリ/フランス

ニュートリノ 研究者.JPG
スイスの欧州合同原子核研究機構(European Centre for Nuclear Research、CERN)でモニターを見つめる研究者(2010年3月30日撮影、資料写真)。(c)AFP/FABRICE COFFRINI


【9月23日 AFP】素粒子ニュートリノが質量を持つことの最終確認を目指す国際共同実験OPERA(オペラ)の研究グループは22日、ニュートリノの速度が光速より速いことを実験で見出したと発表した。確認されれば、アインシュタイン(Albert Einstein)の相対性理論に重大な欠陥があることになる。

 実験では、スイスの欧州合同原子核研究機構(European Centre for Nuclear Research、CERN)から730キロ先にあるイタリアのグランサッソ国立研究所(Gran Sasso Laboratory)へ、数十億のニュートリノ粒子を発射。光の到達時間は2.3ミリ秒だったが、ニュートリノの到達はそれよりも60ナノ秒ほど早かった(誤差は10ナノ秒以下)。ニュートリノの速度は毎秒30万6キロで、光速より毎秒6キロ速いことになる。

 OPERAのスポークスマンを務める物理学者のアントニオ・エレディタート(Antonio Ereditato)氏は、「ニュートリノの速さを知るための実験だったが、このような結果が得られるとは」と、本人も驚きを隠せない様子。発表に至るまでには、約6か月をかけて再検証や再テストなどを行ったという。

 研究者らはなお今回の結果には慎重で、世界中の物理学者らに精査してもらおうと、同日ウェブサイト上に全データを公開することにした。結果が確認されれば、物理学における理解が根本から覆されることになるという。

■物体を貫通するのに加速?

 ニュートリノは、太陽などの恒星が核融合を起こす時の副産物だ。電気的に中性な粒子で、極めて小さく、質量を持つことが発見されたのはごく最近のこと。大量に存在しているが検出は難しいことから「幽霊素粒子」とも呼ばれる。

 ただし、アインシュタインの特殊相対性理論に沿えば、物質は真空では光より速く移動することができない。

 ニュートリノは地球の地殻を含めて物体を貫通して移動しているが、「移動速度が(貫通により)遅くなることはあっても光速以上に加速することはあり得ない」と、データの再検証に参加したフランスの物理学者、ピエール・ビネトリュイ(Pierre Binetruy)氏は、疑問点を指摘した。

 2007年に米フェルミ国立加速器研究所(Fermilab)で同様の実験に参加した英オックスフォード大(Oxford University)のアルフォンス・ウィーバー(Alfons Weber)教授(素粒子物理学)は、光速より速いニュートリノが現行の理論と相容れないことを認めた上で、測定誤差の可能性を指摘し、同様の実験を行って結果を検証する必要性を説いた。

 フェルミで行われた実験では、やはりニュートリノの速度が光速をやや上回っていたが、結果は測定誤差の範囲内だったという。

■4次元とは別の次元?

 理論物理学者は、ニュートリノの予想外の速さを説明するための新たな理論を構築する必要に迫られるだろう。

 先のビネトリュイ氏は、ニュートリノが4次元(空間の3次元+時間)とは別の次元への近道を見つけたのかもしれないと話した。「あるいは、光速は最速とわれわれが思い込んでいただけなのかもしれない」

(c)AFP/Marlowe Hood
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http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2831053/7836081
【図解】ニュートリノ、光より速い?

ニュートリノ 上.JPG
ニュートリノ 下.JPG

【9月27日 AFP】素粒子ニュートリノが質量を持つことの最終確認を目指す国際共同実験の概要を示すもの。この実験でニュートリノが光りよりも速く移動する可能性が示唆された。(c)AFP
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 真空中の光速度は、2.99792458×10^8m/sです。

 記事の中にある、ニュートリノの速度が毎秒30万6kmだというのが本当であれば、
3.00006000×10^8m/s - 2.99792458×10^8m/s = 0.00213542 ×10^8m/s
= 213542m/s = 213.542km/s
となりますので、光速度よりも毎秒6kmだけ速いとはなりません。

 光速度での到達時間を計算すると、
730000m÷(2.99792458×10^8m/s) = 0.002435017s
と、なります。
 光速度よりも、60ナノ秒だけ短い時間で到達したのであれば、
0.002435017s - 0.000000060s = 0.002434957s
で、到達したことになります。
 この到達時間で、ニュートリノの速度を計算すると、
730000m ÷ 0.002434957s = 299799955.4m/s
と、なります。
 これを、光速度と比較すると、
299799955.4m/s - 299792458m/s = 7497.4m/s
と、なります。

 光よりも、60ナノ秒だけ速いというのが本当だとすると、速度の差は、毎秒7.497kmとなり、記事の中の6kmだけ速いということにもなりません。

 記事の中に出てくる数字で検算すると、速度も時間も微妙におかしな値になっています。どこが間違っているのか、暇があれば、もう少し詳しく計算してみたいと思いますが、そもそも、ジュネーブのCERNとグランサッソのLNGSの距離が、730kmというのは正しいのでしょうか。ここに誤差があると、いくら計算しても合うはずがありませんが…

(by 心如)
 

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6000年前になにがあったのか…!? [科学]

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『新・進化論が変わる』
―ゲノム時代にダーウィン進化論は生き残るか―
(中原英臣、佐川峻/講談社 ブルーバックス B-1594)
2008年4月20日 第1刷発行

 脳を大きくする遺伝子

 脳の大きさに関係する遺伝子として、54ページで述べたFOXP2遺伝子の他に、マイクロセファリン遺伝子とASPM(abnormal spindle-like microcephaly associated)遺伝子が注目されている。
 FOXP2遺伝子は言語に関係し、マイクロセファリン遺伝子をもつことで抽象的な概念を理解できるようになったと考えられている。またASPM遺伝子には大脳皮質を大きくする働きがあって、これがうまく働かないと、高度な機能を司る大脳皮質がうまく形成されなくなる。
 ASPM遺伝子はヒトだけではなく、サルなどももっているが、ヒトとサルではその塩基配列が少し異なっていることがわかっている。サル同士の変異はASPM遺伝子がつくり出すタンパク質には影響がない変異が多かった。これに対してヒトでは、異なるタンパク質をつくってしまう変異の割合が、サル同士の変異の二倍以上あることがわかった。
 これは、サルとヒトではASPM遺伝子の働きが異なることを示しており、その働きの一つが大脳皮質を大きくすることに関係しているのである。ASPM遺伝子の大脳皮質を大きくする働きは、ヒトのほうがサルより強いということである。

 「脳をつくる遺伝子」によるヒトの進化

 19ページで紹介した分子時計の手法で、ヒトがこれらの遺伝子をもった時期をさぐると、FOXP2遺伝子は20万年前、マイクロセファリン遺伝子は3万7000年前、ASPM遺伝子は5800年前となる。これらの時期には、ヒトの進化の歴史上でも興味深い出来事があった。
 私たち現生人の祖先である新人は、FOXP2遺伝子の出現と同じ20万年前にアフリカで誕生した。そしてマイクロセファリン遺伝子が出現した時期に近い三万年前に、ヨーロッパやさらに遠方のアジアに拡散していったのである。
 気候や風土が異なる新天地で暮らすには、食糧の獲得、住居の確保などの大きな適応能力が要求される。新人は、この能力をマイクロセファリン遺伝子によって発揮できたのかもしれない。また新人は旧人と違い、芸術や高度な石器をもっていた。おそらく豊かな言語ももっていただろう。それらを可能にした要因の一つが、マイクロセファリン遺伝子だったのかもしれない。
 また、ネアンデルタール人が絶滅したのも、マイクロセファリン遺伝子が出現した時期に近い3万5000年ほど前である。クロマニョン人に代表される新人が、旧人であるネアンデルタール人を絶滅させたという直接の証拠はないが、何か関係があるのかもしれない。
 ネアンデルタール人もマイクロセファリン遺伝子をもっていたのだろうか。いまとなっては調べようもないので確かなことはいえないが、興味深いポイントである。新人と旧人は共存していた時期があるので、マイクロセファリン遺伝子をやり取りしていた可能性はある。ただしいずれの可能性も、現在のところでは想像の域をでない。
 さらに、脳の大きさに関係するASPM遺伝子の出現した5800年ほど前といえば、エジプトなどで人類が高度な文明を築きはじめた時期と一致する。マイクロセファリン遺伝子にASPM遺伝子が加わって、現在の国家、科学、芸術などを統合した高度な文明を築き上げることが可能になったようにも思える。
 人類が、わずか6000年前に決定的な進化を遂げていたとすれば、それは大きな驚きである。遺伝子の研究が進むにつれて、もっと大きな驚きがいくつも待っているのかもしれない。
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 この本に書かれていることが事実だとすると、ヒトの脳が言語を理解できるようになったのは20万年くらい前のようです。そして、抽象的な概念が発達したのが3万7000年くらい前で、さらに、大脳皮質が大きくなり、脳の機能が飛躍的に発達して、いまのようなヒトになったのは、たったの6000年前だというのですから驚きです。
 そういえば、インダス文明、メソポタミア文明、エジプト文明、黄河文明など、古代文明が発達したのはそのくらいの時期でしょうか。

 遺伝子情報を調べたら、分子時計によって、どのくらいの時期に、どんな進化が起きたのかは分るとしても、どうしてその進化が起きたのかまでは分りません。小さな変異が積み重なって、自然淘汰によって進化が起きるというダーウィンの進化論では、このような大きな変異を説明できないのではないかと思います。

 わずか6000年前に、ヒトの脳が決定的な進化を遂げたのが事実だとしても、その進化は、人類全体にどうやって広がったのでしょうか。ごく一部のヒトに偶然に変異が生じたのであれば、それが人類全体に、短期間で行き渡る仕組みがよく分りません。
 自然淘汰は、進化の結果であって、進化の原因ではないのです。問題は、なぜ変異が起きるのかなのです。いまのところ、この疑問に対する妥当な答えは聞いたことがありません。

 生命の発生と進化は、どんなに科学が進歩しても、人間の手に負えるような代物ではないのかもしれませんが…

(by 心如)
 

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光速よりも速いとは…!? [科学]

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http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110924-OYT1T00229.htm
現代物理学への挑戦…光より速いニュートリノ

ニュートリノ.JPG
 名古屋大など11か国の研究機関による国際研究グループが、「ニュートリノは光よりも速かった」ことを示す実験結果を発表した。
 事実であれば、「光速は超えられない」とするアインシュタインの特殊相対性理論を覆す可能性がある。現代物理学は、この理論を土台にして築き上げられており、その影響は計り知れない。実験結果がもたらした衝撃と、その影響を探った。
 「現代物理学の基本原理に対する挑戦だ」
 ミュー型ニュートリノの速度が光速を超えたとの発表に、東京大学宇宙線研究所の鈴木洋一郎教授は驚きをあらわにした。基本原理とは、アインシュタインが1905年に発表した、有名な特殊相対性理論。20世紀に物理学が急発展する土台となってきたこの理論は、「質量を持ったものは光速を超えることができない」と結論づけているのだ。
 相対性理論によると、光速に近づくと、その物体の質量がどんどん増えて無限大に迫り、加速できなくなってしまう。ミュー型ニュートリノも質量を持つ粒子なので、光速は超えられないことになる。
 光速に近い速さで動く物体には、ほかにも不思議なことが色々起きることが、相対性理論からは導き出される。たとえば時間の進みがゆっくりになったり、距離が縮んだりする。かつて絶対不変だと考えられていた時間の進みや空間の広がりが、実は変化するという事実は、物理学以外の分野にも大きな影響を与えた。現代哲学の大家、故アルフレッド・ホワイトヘッドは、相対性理論などをもとに、独自の宇宙観を打ち立てた。
 相対性理論と矛盾する今回の実験結果は、物理学を支えてきた基本原理だけでなく、時間や空間についての考え方まで革命的に変える可能性を秘める。
 「今後、複数の実験施設で同様の結果が出てくれば、特殊相対性理論を100年ぶりに修正する必要が出てくる。どのような修正が必要になるか見当もつかない」と、高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所の山内正則副所長は語る。
(科学部 本間雅江、吉田典之)

(2011年9月24日09時48分  読売新聞)
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 730km離れた場所に0.0024秒で到達したというのが事実だとしたら、計算すると304,166.6km/sとなりますので、光速(299,792.458km/s)よりも少しだけ速いことになります。
 しかし、もし、0.0025秒掛かっているとしたら、292,000km/sとなりますので、光の速さを超えたとはいえなくなります。
 730kmも離れた場所で、ニュートリノの発射から到達までに要した時間の計測をどうやって行なうのでしょうか。0.0001秒(一万分の一秒)の精度が本当にあるのかどうかは、十分に検証して欲しいと思います。

 どちらにしても、光の速さを超えるモノが在ったとして、それで、タイムマシンが作れる可能性があるという話しにはならないと思います。光を追い越すことが出来たとしても、時間を遡れるわけではないのですから。映画のフィルムを逆回ししても時間を遡れないのと同じことなのですが…

(by 心如)
 

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観測史上、二番目というが…!? [科学]

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http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110921-OYT1T01027.htm
縮む北極海の氷…観測史上2番目の小ささに

 宇宙航空研究開発機構は、北極海の海氷面積が今月9日、1978年からの観測史上2番目に小さくなったと発表した。

 北極海の海氷面積は過去十数年、減少傾向が続いており、地球温暖化の影響が考えられるという。

 北極海の海氷面積は毎年9月ごろに最小となる。米国の地球観測衛星に搭載した宇宙機構の装置などで北極海域を観測したところ、今月9日に453万平方キロ・メートルまで縮小し、史上最小だった2007年(425万平方キロ・メートル)に迫った。

(2011年9月21日19時07分  読売新聞)
―――――北極海の海氷面積.jpg
【参考リンク】http://www.ijis.iarc.uaf.edu/jp/seaice/extent.htm

 観測史上二番目の小ささというが、人工衛星で北極海の海氷面積を観測できるようになったのはいつからなのでしょうか。1978年とあるので、たった33年前からです。

 たかだか、三十年くらいの観測史上で二番目だからといって騒いでも意味があるのでしょうか。平安時代は、中世の温暖期と呼ばれていて、いまよりも平均気温が一度か二度くらい高かったようです。もし、そのころに北極海の海氷面積を観測できたとしたら、いまよりももっと小さかったのではないかと思います。グリーンランドにバイキングが入植したという史実もあるくらいですから。

 たかが過去数十年の観測データで、46億年の地球のいとなみを云々するなんて、宇宙航空研究開発機構というのも名前だけが御大層な団体です。こういうのこそ、仕訳の対象にすべきではないかと思いますが…

(by 心如)

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呆け防止薬が出るかも…!? [科学]

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http://www.asahi.com/science/update/0909/TKY201109090279.html
現在位置:asahi.com>ニュース>サイエンス
2011年9月9日16時32分
 アルツハイマー発症の仕組み、iPS細胞で確認 慶応大

 慶応大の研究チームがiPS細胞(人工多能性幹細胞)技術を使い、アルツハイマー病が発症する仕組みの確認に成功した。生きたヒトの細胞による薬の効果の確認につながり、新薬開発に役立ちそうだ。論文が7日付英医学誌ヒューマン・モレキュラー・ジェネティクス(電子版)に掲載された。

 アルツハイマー病は、ベータアミロイドという毒性の高いたんぱく質が脳にたまり、神経細胞を傷つけて起きるとする「アミロイド仮説」が提唱されている。チームは、遺伝性アルツハイマー病の患者2人の皮膚の細胞からiPS細胞を作って、さらに神経細胞に変化させた。すると、いずれの患者由来の神経細胞でもベータアミロイドが通常の約2倍作られており、病気の一部を再現できた。

 またベータアミロイドができるのに必要な酵素の働きを止める新薬の候補を使ったところ、ベータアミロイドのできる量が抑えられるのも確認した。
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 アルツハイマーの患者の皮膚の細胞から作ったiPS細胞を、神経細胞に変化させたら、ベータアミロイドが通常の約二倍作られていることが確認されたとのことです。

 アルツハイマー病を発症すると、ベータアミロイドという毒性の高いたんぱく質が脳にたまるのは事実なのかもしれません。問題なのは、そのベータアミロイドというたんぱく質がなぜ普通よりも多く作られるのかではないかと思います。

 ベータアミロイドがたまるとアルツハイマー病になるのでしょうか。それとも、アルツハイマー病になるとベータアミロイドがたまるのでしょうか。
 相関があるのは事実としても、因果関係が今一つ、はっきりしていないと思います。

 百歩譲って、脳に毒性の高いベータアミロイドというたんぱく質がたまると、アルツハイマー病を発症する。というのが事実だとして、なぜ、神経細胞がそのような毒性の高いたんぱく質を、普通より約二倍も作る状態になるのかが解らないと、本当の意味で、アルツハイマー病の発症メカニズムを解明したことにはならないのでは…

 よって、単に、ベータアミロイドを作るのに必要な酵素の働きを止めても、本当の意味でアルツハイマー病の治療になるとは思えません。でも、近い将来、この薬を飲み続ければ、アルツハイマー病の発症を遅らせることが可能だ。という触込みの新薬が販売されるのではないかと思います。
 「これを飲めば呆けない」と言われたら、お金を出せる人は喜んで飲むと思います。製薬会社にとっては、これほどオイシイ話はないですね。

 歳をとれば、血圧が上がったり、物忘れが激しくなったり、身体が硬くなり、足腰が痛くなったり、いろいろな老化現象が出てくるのは仕方がありません。そういう老化現象を、薬でどうにかしようというのは、私にはなんだか無理があるような気がしてなりませんが。。。

(by 心如)
 

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純粋な現代人なんているの…!? [科学]

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http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110825-OYT1T01192.htm
『現代人の祖先、古代人類との交雑で免疫力獲得か』

 現代人の祖先は、別の人類とされるネアンデルタール人やデニソワ人と交雑することで免疫機能を高めたことが、米スタンフォード大などのチームの研究でわかった。

 人間の免疫の成り立ちに一石を投じる成果で、米科学誌サイエンスに26日発表される。
 研究チームは、ヨーロッパやアジアに広がり、絶滅した古代の人類のネアンデルタール人三体とデニソワ人一体の化石の遺伝情報を解析。免疫機能に重要な白血球の型に関係する部分を、欧州、アジア、アフリカの現代人と比較した。
 古代の人類と共通する白血球の型を、アジアでは七割以上、欧州では五割以上の現代人が引き継いでいるのに対し、アフリカでは一割以下と、あまり引き継がれていなかった。
 人類の起源はアフリカで、古代の人類は27万~44万年前に、現代人の祖先は6万~7万年前にアフリカを出た。アフリカを出た現代人の祖先は、アジアやヨーロッパで既に現地の環境に適した免疫機能を持っていた古代の人類と交雑することで、その免疫機能を獲得。有利な遺伝子が現代人の間で広がったらしい。

(2011年8月26日03時05分  読売新聞)
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 古代の人類と現代の人類が交雑し、古代の人類の免疫機能を、現代人が獲得したそうです。

 これって、現代人と古代人の間で、交配が行なわれたということを意味します。つまり、現代人には、古代人の血がいくらか流れているということなのです。

 我々、現代人は、ネアンデルタール人とか、デニソワ人とか聞くと、原始的な劣った人種だと考え勝ちなのではないかと思います。しかし、その古代人と交雑し、免疫機能を受け継いだからこそ、現代人が自然淘汰に耐え得たのではないかと思います。

 進化論者は、こういう交雑によって、人類が地球環境に適応してきたという事実をきちんと評価する必要があると、私は思います。

(by 心如)
 


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メガソーラーと言うけれど [科学]

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http://www.tepco.co.jp/csr/megasolar/index-j.html
【メガソーラー発電所】
太陽光発電.JPG

浮島太陽光発電所・施設概要.施設名 浮島太陽光発電所
所在地 神奈川県川崎市川崎区浮島町
最大出力 7,000kW
推定発電電力量(年間) 約740万kWh
CO2排出削減量(推定) 約3,100t
敷地面積 約11ha(川崎市所有)
太陽電池パネル枚数 約38,000枚

 浮島太陽光発電所について

 浮島太陽光発電所は、川崎市と東京電力の共同事業として、川崎市の所有する浮島1期廃棄物埋立処分地の中に、当社初のメガソーラー発電所として建設されました。
 共同事業の枠組みとしては、川崎市が土地の提供や普及啓発事業を、東京電力が発電所の建設や維持運営管理を行っています。
 浮島太陽光発電所は、敷地全体で約38,000枚の太陽電池パネル(モジュール:単結晶シリコン型)が設置されており、合計で7,000kWの出力があります。
 設備に関する工夫の一例として、一般的に太陽電池パネルの設置角度は30度程度が最適とされていますが、発電量と風圧荷重などのバランスを比較検討し、浮島太陽光発電所では設置角度を10度としています。
 浮島太陽光発電所は羽田空港のすぐ南側にあり、羽田空港を離着陸する飛行経路によっては、飛行機からもよく見える場所にあります。
 また、浮島太陽光発電所に隣接して、川崎市にて運営するPR施設「かわさきエコ暮らし未来館」が併設されており、太陽光発電をはじめとするエコについて学習出来る展示や、浮島太陽光発電所が一望出来る展望台などが設置されていますので、ご興味がございましたら、ぜひご利用下さい。
―――
 
 もし、太陽光発電で、出力100万kWの発電所を作るとしたら…

 100万kW ÷ 7,000kW = 142.86倍
 約11ha × 142.86 = 1,571ha
 約38,000枚 × 142.86 = 約5,428,680枚

 約1,571ha(15.71平方km)の土地に、約543万枚の太陽電池パネルを設置しないといけません。もし、太陽電池パネル一枚の設置費用が10万円だとすると、
10万円/枚 × 543万枚 = 5,430億円
という、べらぼうな設置費用が掛かります。これに土地代を加えたら、とんでもない金額になるのは容易に想像できると思います。
 いくら、最大発電容量が100万kWあったとしても、実際の発電量はお天気次第なのです。下のグラフをみれば、太陽光発電がいかに不安定で効率の悪いものかよく分ると思います。
http://www.tepco.co.jp/csr/megasolar/ukishima/index_data.html

メガソーラー 20110819a.JPG

 脱原発という考えは悪くないのです。でも、原発の代替を、太陽光でというのは愚策だと思います。

 本気で、脱原発を目指すのであれば、まず天然ガス複合サイクル発電を導入することです。その後で、新エネルギーをじっくり開発すればよいのです。いきなり、太陽光と風力に切り替えるなんて、物理的に無理だということをなぜ学者センセイは言わないのか… きっと、正直に言えば、研究費を減らされたり、冷や飯を食わされるのだと思います。
 そういえば、福島第一原発で、メルトダウンの可能性があると正直に言った人が保安院の会見担当から即、外されましたね。「正直の頭に神宿る」どころか、「正直者が馬鹿をみる」のが実際のようです。

 いまの日本では、権力やおカネに阿るしか、専門家も生き残れないとしたら、科学技術立国なんて幻想でしかないのかもしれません。

(by 心如)
 


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気候変動の要因 [科学]

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知りたい!サイエンス
『なぞの宝庫・南極大陸』―100万年前の地球を読む―
著者:飯塚芳徳、澤柿教伸、杉山慎、的場澄人
平成20年11月25日 初版 第1刷発行

 地球の気候変動はなぜ起こるのか?

 急速な気候変動を引き起こした要因

 地球の気候は、どのような要因としくみによって氷期(寒冷期)から間氷期(温暖期)へ、あるいは逆に間氷期から氷期へと移り変わるのだろうか。
 こうした気候変動の要因についての現在のもっとも有力な仮説は太陽の放射熱に関係したものだ。それは、地球上のどこにいつ、どのくらいの太陽エネルギーが届くかを、太陽を公転する地球の軌道要素から計算した天文学的な考えに基づいている。この説はミランコヴィッチによる計算(ミランコビッチ・サイクル)をもとに提唱されたもので、地球全体が太陽から受け取る日射量はそれほど変化しないが、地球上のある地点が受け取る日射量の季節変動がかなり大きく変化するところに特徴がある。
 この考えで見ると、南極の氷期‐間氷期の気候変動は、北緯65度の夏の日射量の変化に追随していることが示唆される。この理由は南半球に比べて北極は亜極域に大陸が多く存在し、北緯65度の地表状態が温暖期と寒冷期では著しく異なっているのだ。つまり温暖期にはこの地域の地表面は露出するが、寒冷期の地表は巨大な氷床でおおわれていたのである。
 氷床の表面は太陽光を高い割合で反射する。そのため、大陸が氷床におおわれると太陽からやってくる日射の大半が反射されて宇宙空間に逃げてしまい、地球表面は太陽熱を効率的に吸収することができなくなる。したがって、北半球高緯度の夏の日射量が低下すると、地球上の大陸氷床が拡大して氷期となり、その逆のプロセスで間氷期が生じる。そしてこれが南極の氷期‐間氷期の原因と考えることができる。
 このように、地表が吸収する日射量が低下する→寒冷化が促進される→氷床が拡大する→太陽光反射率が上昇する→日射量がいっそう低下する→いっそう寒冷化が進行するといった相乗作用を正のフィードバックと呼ぶ。
 氷期‐間氷期の大きな気候変動を引き起こす正のフィードバックはいくつかある。たとえば大気中の二酸化炭素は海洋(海水)に融け込むことが知られているが、海水温が低いほど二酸化炭素は融けこみやすくなる。そこで、寒冷化が起こる→海水温が低下する→二酸化炭素の海洋への溶解が増大する→大気中の二酸化炭素濃度が減少する→大気の温室効果が低下する→いっそう寒冷化が進行するといったプロセスも、別の正のフィードバックとしてはたらく。このようなフィードバック機構が地球表層の平均温度に与える影響は少なくないと考えられている。
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 北緯65度の地表の状態が、地球の気候変動に大きな影響を及ぼすとのことです。

太陽.jpg

 いま現在の地球温暖化も、北半球の地表の状態が変わってしまったことに関係している可能性があると思います。

 1970年代の半ばまでは、地球の気候は寒冷化していたのです。その後、1980年代、1990年代に地球の気候は顕著に温暖化しています。

 このころ、日本中で道路の舗装率が大幅に伸びたと思います。地面を太陽熱を吸収しやすいアスファルトで覆ったのですから、効率よく太陽熱を吸収するようになったと考えて間違いないと思います。これは、アメリカやヨーロッパなども同様だと思います。昼間の太陽光で温められたアスファルトは、夜になっても周囲に熱を放出します。道路や駐車場などを、黒くて太陽光を吸収しやすいアスファルトで舗装したことが、温暖化の一因であることは事実だろうと思います。

 あと、1980年代以降、中国の工業が発展し、大量の煤煙(炭素の粉)をまき散らしていることも、温暖化の原因の一つだと思います。
 小学校の理科の実験で、白い紙を鉛筆で黒く塗ったところと、白いままの紙で、太陽光を虫眼鏡で集めたら、鉛筆で黒く塗ったところのほうが熱を吸収しやすいことを確かめたと思います。中国の経済発展にともなって、大量の煤煙が大気に放出されているのです。この煤によって、北半球は太陽の熱を受け取りやすくなっていることが、温暖化の一因になっているのも事実だろうと思います(ヒマラヤの氷河が融けている原因の一つが煤だという研究報告もあります)。

 温暖化を本気で防止するのであれば、

・道路や駐車場などのアスファルト舗装を止めること。
・中国の大気汚染を改善し、大量の煤煙を排出させないこと。

 この二つをまず実施すべきだと私は思います。

(by 心如)
 

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山頂はなぜ涼しいか [科学]

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科学のとびら47
『山頂はなぜ涼しいか』 ―熱・エネルギーの科学―
日本熱測定学会 編
2006年10月5日 第一刷発行

Q26 山頂はなぜ涼しいか?

<A>
 実際、高度が百メートル上がるごとに約0.6℃ずつ気温が下がります。ここではその理由を考えることにします。山の斜面を風が吹き上がってゆくとしましょう。もともと日射は地面を温めるので、地面近くの空気は上空に比べて温かいですが、太陽は平地も山も均等に温めますから、空気がじっとしているかぎり気温は土地の高度によらないはずです。そこで空気の移動による温度変化を取り上げます。
 まず、大きいゴム風船を想像してください。ゴムは薄くて、内外の圧力差は無視できるものとします。風で吹き上げられていくにつれて、風船は膨らみます。なぜなら上昇するにつれて大気圧が下がるからです。風船が膨らむということは、風船の中の空気が外に向かって仕事をするということです。「仕事をする」とは物理学独特のいい方で、重いものを持ち上げたり、ボールを投げたりと、力を使って力の方向にものを動かすことです。山腹を吹き上げられる風船は後ろからくる風によって押し上げられるのですが、同時に前方にある空気を押し上げます。後ろからは仕事をされ、前に向かっては仕事をします。でも差し引きすると、される仕事よりする仕事のほうが、体積膨張による分だけ大きいのです。風船は、上昇するにつれて自分の熱エネルギーを使って外に仕事をします。その結果として風船の中の空気の温度が下がることになります。理科の授業で学ぶ断熱膨張ですね。
 これが「山頂はなぜ涼しいのか」に対する答えです。空気の塊は自分から「仕事をする」つもりはないのですが、後ろから押されるままに上昇し、その際、自前の熱エネルギーを消費してまで余分に「仕事をする」はめになってしまいます。ゴム風船で囲まれた空気を考えたので、ゴム膜のすぐ内側の空気が外に向かって仕事をしたと考えたくなるかもしれませんが、ゴム風船の中の空気はどこでも同じように膨張し、場所によって圧力や温度が違うことはありません。つまり風船が膨張するとき中の空気はいっせいに仕事をします。ですから、風船はあってもなくても同じです。空気の塊が山腹を吹き上がるとき温度が下がるというのは以上のような現象です。
 以上の論理を式で表現することができます。136ページ「変化率の計算」に式の導出を書きましたので、ちょっと手間ですが、式をたどっていただくと理科の面白さが実感できると思います。知りたいのは高度zが少しだけ上がったとき温度Tがどれだけ変化するかという変化率です。
 変化率の計算結果は実際に知られている平均的な値(百メートルあたりマイナス0.6℃)より大きいですが、その差は水分の凝縮熱によると考えられています。つまり、空気が上昇して温度が下がり、露点以下になると空気に含まれていた水分が水滴になります。しかしQ27で述べるように、そのとき凝縮熱が放出されるので、空気の温度は次のページの計算値ほどには下がらないことになります。水蒸気の凝縮熱を使って計算すると、条件にもよりますが、温度変化は次ページの計算のおよそ半分程度の値になります。これらの結果から、「山頂はなぜ涼しいか」の答えが得られたといえるでしょう。
変化率の計算.JPG

 具体的にイメージしやすいように山の斜面に沿う気流を考えましたが、対流による上昇気流でも上に述べたのと同じ冷却過程が起こります。巨大な積乱雲の中央では激しい上昇気流があって夕立やひょうの原因となっています。
 以上の説明は、二百年も前に考えられました。南米の太平洋側(ペルーやエクアドル)では海岸のすぐ近くにアンデスの高山が迫っていて、低地では灼熱の砂漠、山頂では常に凍結しています。このように急峻な温度勾配は、風の動きに伴う可逆的温度変化でなければ説明できないことに思い至ったのが理解の発端といわれています。1788年にイラズマス・ダーウィン(進化論のチャールズ・ダーウィンのおじいさん)が発表した考えです。
変化率の計算式の導出.JPG

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 山に登ると夏でも涼しいのは、山登りをしたことがある方はご存知だと思います。

 乾燥した空気なら、100メートルで約1℃気温が下がるのです。

 普通の水蒸気を含んだ湿った空気の場合、水蒸気のもつ熱エネルギーがあるので、半分近い温度差になるそうです。実際に観測される温度差は、100メートルで0.6℃くらいのようです。

 スカイツリーが完成し、地表の気温と600メートル上空の気温を比べたら、3.6℃くらいの温度差が生じる計算になります。

 スカイツリーの天辺と地表に温度計を取り付けて、天辺と地表の温度差を表示してくれたら、面白いと思うのは私だけでしょうか。

(by 心如)
 

 

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