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「地球温暖化」ってなに? (1) [科学]

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島村英紀 地球温暖化ってなに.jpg
『「地球温暖化」ってなに? 科学と政治の舞台裏』(島村英紀/彰国社)
2010年8月10日 第1版発行

 はじめに

 京都議定書の「次」が決まっていない。決める期限はすでに来てしまった。
 1997年に世界各国の代表が京都に集まって決めた京都議定書は、当時の先進各国に温室効果ガスを削減する数値目標を義務づけたものだった。
 しかし、この議定書は2012年までのことしか決めていない。その後は、新しい取り決めが各国の合意でつくられない限りは白紙なのである。
 いままで何回も開かれた「その後」を決めるための国際会議は、各国の主張が入り乱れ、結局、何も決まらなかった。なかでも、次回の取り決めからは新たに規制を課せられる可能性が強い中国など開発途上国の反発が強かった。ちなみに、中国の二酸化炭素排出量は大方の予測よりも数年も早く、2007年に米国を抜いて世界一になった。しかも、さらに増えることは確実だ。
 新たな議定書をまとめるための努力は続けられているが、そもそも議定書という合意がつくられるのかどうかをも含めて、予断は許さない。「科学」の名で各国を説得することは、もうできなくなっているのである。
 なぜ、このようになってしまったのだろう。
 地球温暖化問題は、もともとは科学の問題だった。しかし、いまや国際政治にとってのきわめて大きな問題になっていて、この本にあるように各国の思惑が渦巻いている。
 一方、哀しいことに、環境問題での科学者の役割は、ほかの誰かが決めた政策に説明をつけて補強する程度のものに下落してしまっている。
 なぜ、そうなってしまったのだろうか。いままでの科学では解けなかった部分の解明を、世界は、あるいは国際政治は待ちきれなかったのか、あるいは、科学とは所詮、その程度のものだと見くびられてしまったのだろうか。それを考えてもらうために、この本を書いた。
 この本はもともと、私の本『地震学がよくわかる―誰も知らない地球のドラマ』をつくってくださった彰国社の編集者・中神和彦さんから「地球温暖化を語る前に、もっと必要なものが抜け落ちているのではないか。地球の歴史やメカニズムを知っておいてほしいという視点から本を書いてほしい」と頼まれたことからはじまっている。
 たしかに、あまたある地球環境の本のなかで、地球環境や地球温暖化が、科学としてどこまでわかっているのか、まだわかっていないことはどこに問題があるのか、といったことを書いてある本はない。その意味で、この本の存在価値があるのだろう。
―――

 「哀しいことに、環境問題での科学者の役割は、ほかの誰かが決めた政策に説明をつけて補強する程度のものに下落してしまっている。」という記述がみられます
 これは、もともと地球温暖化とは科学的な問題だったはずなのです
 いつのまにか、科学が政治に利用されているようです
 科学の果たす役割が、政治の手段となっていることを意味しているのでしょうか
 科学者の言っていることが、政治家にとって都合のよい事だけを並べたものにすぎず、科学的な事実とは必ずしも言えないとしたら、私も哀しいことだと思っています

(by 心如)
 

「地球温暖化」ってなに?―科学と政治の舞台裏

「地球温暖化」ってなに?―科学と政治の舞台裏

  • 作者: 島村 英紀
  • 出版社/メーカー: 彰国社
  • 発売日: 2010/07
  • メディア: 単行本


 


【お買い物】
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 先ほど、家内と二人で買い物に行ってきました
 鮮魚売り場に、仙崎産のアワビがおいてありました
 100gあたり980円なので、157gで1538円もするのです。
 殻つきでこの値段ですから、食べられる身の部分だけだともっと高価なものかも…
 アワビの刺身なんて、もうずいぶん食べてないです^^;
 


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コメント 8

大将

本当、テレビで温暖化!と大きな声を出して騒いでいる人に
温暖化って何?といつも聞きたくなります
最近の気象は確かに異常気象かもしれませんが
それが温暖化となんの関係が有るのか
本当の所はどうもあやふやですね
by 大将 (2011-02-19 16:15) 

心如

大将さん コメントを頂きありがとうございます
 もっともらしい話ばかりですが、本当のところはどうなのかというとよく分からないって感じですね。
 少なくとも、科学者や政治家が、2100年の人類のことを本気で心配しているなんてことはあり得ないとは言えますが…
by 心如 (2011-02-19 16:43) 

shira

 昨年の北海道大学の自由英作文で温暖化への懐疑論に対する意見を書くという問題が出ていました。情報を鵜呑みせずに疑念を持ってみるという姿勢を持って欲しいということなんでしょう。
by shira (2011-02-20 18:55) 

心如

shiraさん コメントを頂きありがとうございます
 「明日のエコでは間に合わない」なんていうフレーズが、延々と流されていた時期があったと思います。
 明日では間に合わないと毎日言い続けるなんて、言ってるほうもいい度胸ですが、毎日聞いていても文句を言わない国民もなんだかな… って感じでした。
 ムードに流されるのではなくて、効果の期待できる対策を示して欲しいと思います^^;
by 心如 (2011-02-20 21:41) 

qooo

私も,温暖化って難しいなと思ってます。
もちろん、資源の無い日本ですから石油ではなくて
違うエネルギー(太陽とか)を利用したいという気持ちは
あるし、物は大切につかったり、残さず食べたり。。。という
風潮には賛成なのですが。電力(原子力)というのは、
どうもまだ危険な気がするし。。。ご紹介の本、
一度読んでみたいと思いました。もっと、知りたいです。
by qooo (2011-02-24 06:12) 

心如

qoooさん コメントを頂きありがとうございます
 いま現在の温暖化の原因はなにか? 本当のところは、まだよく解っていないというのが一番の問題だと思います。
by 心如 (2011-02-25 22:46) 

袋田の住職

熱帯雨林を切り開いて、バイオエタノールの原料を生産するのは本末転倒だと思っています。
熱帯雨林が吸収している二酸化炭素の量はバイオエタノールを使うことによって削減される二酸化炭素の量よりはどうみたって多いと思います。
そもそも化石燃料を燃すことによって発生する温室効果ガスによる地球温暖化がどの程度のものか、本当のところまだよく解ってない↑ ということに気づいてきたようですし・・・
地球環境に対する謙虚な姿勢こそ大事だと思います。
その意味からも、熱帯雨林を切り開くのはいけないことだと思います。
日本としてできることは、国産材木の活用であり、百害を産んでいる外国産木材の利用制限だと思います。
by 袋田の住職 (2011-02-28 21:40) 

心如

袋田の住職さん、コメントを頂きありがとうございます
 二酸化炭素の排出量を日本がいくら減らしても、お隣の中国が日本の排出量以上に増加させていますから、温暖化防止効果はまったくありません。まったく効果のない温暖化防止策に毎年何兆円も使うのは無駄だと思います。
by 心如 (2012-11-11 07:57) 

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