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この国を動かしているのは…!? [政治]

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『官愚の国』―なぜ日本では、政治家が官僚に屈するのか―
(高橋洋一/祥伝社)
平成23年3月30日 初版第1刷発行

 はじめに

 なぜ日本では、いつまでたっても「政治主導」ができないのか。それは官僚が抵抗するからだ、と読者はすでに知っている。
 民主党政権の標榜する「政治主導」が画餅に帰したことは言を俟たない。2011年1月菅直人改造内閣に経済財政担当相として与謝野馨氏が入閣し、78歳の藤井裕久氏が官房副長官に起用された。与謝野氏の「たちあがれ日本」離党はもとより、「健康上の理由」から一時は財務大臣の職を辞した藤井氏の復帰に、眉をひそめた国民は少なくない。
 複数のメディアも指摘するとおり、この人事には明らかに財務省の意向が強く働いていた。稿をあらためて述べるが、水面下での牽引者は丹呉泰健前財務事務次官と言われる。消費税増税論者である政界の重鎮二人を閣内に送り込むことで、近い将来増税への布石を打つ。増税はつねに財務省の“最終目標”のひとつである。
 ここに「政治主導」が骨抜きにされ、「官僚主導」が優越した典型を見るのは私だけではあるまい。官僚にとって政治主導は、権限・権益が侵害されることを意味する。自らの思惑どおりに政治権力を操りたい。そのために策略をめぐらすのが官僚の習性である。

 むろん、この官僚主導という日本国の構図は今に始まったことではないし、周知のように、かねてから官僚制の弊害は批判に晒されてきた。
 それを承知で、私は日本の官僚の持つ特質を体験的に指摘してゆこうと思う。1980年に財務省(当時は大蔵省)に入省して以来、退職までの28年間を、私は「霞が関」という面妖な官僚集団の中で過ごした。今では「霞が関を敵に回した男」という、ありがたい称号を頂戴している(あるいは「霞が関埋蔵金男」とか「暗黒卿」とも呼ばれる)が、霞が関の住人として実をもって味わった諸事象から、官僚と官僚制を論じるのが本書の趣旨である。その意味で、数多あるステレオタイプの官僚制研究や官僚批判とは一線を画すつもりだ。なお、ここで言う「官僚」とは、いわゆる「キャリア」を指す。

 民主党の枝野幸男氏は、はからずも「政治主導なんてうかつなことを言ったから、大変なことになった。与党がこんなに忙しいと思わなかった」と公言した。官僚に依存しなければ政権与党として機能できない、と泣き言を漏らしたに等しい。党幹事長代理時代の2010年11月14日のことである。その枝野氏が今、官房長官の要職を務めている。菅氏に至っては、内閣改造後に事務次官たちを集め、「政治主導に行きすぎがあった」と陳謝したという。まるでマンガである。
 政治主導の政治、と書いてみると、その字面にどこか奇妙さを覚える。奇妙さの理由は「政治主導の政治」が当たり前のことだからだ。日本はいつまでたっても、当たり前のことができない。なぜなのか。本書はその解を求める試みである。

 2011年3月
                                    高橋洋一
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 この日本という国を動かしているのは「お上」と呼ばれる者たち、つまり政府・官庁(=官僚)であって、政治家ではないのです。

 そんな馬鹿な… という人が中にはいるかもしれませんが、そんなことはいまさら言う必要がないという人も沢山いると思います。

 どちらにしても、この現実が何を意味するのか考えないといけません。


 そうです、選挙で誰に投票し、どの党が政権を取っても、国民の生活はよくならないということを意味するのです。

 その証拠に、「政治主導」を標榜した民主党に政権交代しても、国民の生活は良くなるどころか、悪くなる一方ではありませんか。

 生半可な覚悟しか持たない政治家が、国民の人気(選挙の票)欲しさに、いくら「政治主導」を標榜しても、反って官僚の反発を招くだけだということは、いま現在の日本が証明していると思います。

 この国の予算を編成しているのは官僚なのです。国会(政治家)はそれを事後承認しているだけです。予算編成を実際にやっているのは官僚ですから、国を動かしているのは官僚だと言わざるを得ないのです。

 歳入(税制)を考えるのも官僚で、歳出(予算)を考えるのも官僚なのです。規模の大小は別にして、組織や団体の中では、お金の流れを握っている者が一番強い権限を持つのが常識ではないかと思います。

(ちなみに、我が家の財布は妻が握っています。よって、一番の権力者は妻です ^^;)


 政治家が政治の主導権を本気で持ちたいと思うのであれば、税制と予算を政治家が決めるという覚悟を持たねばなりません。

 いまのところ、日本の政治家には、そんな覚悟も能力もないのでは…

 立候補したときにいくら高い理想を持っていても、いざ当選してみると、官僚に屈したほうが楽なのは間違いなさそうです。

(我が家の家計も、妻に任せておいたほうが楽ですし…)

 政治家に大きな期待をしても可哀そうだと、言わざるを得ないのも事実のような。。。

(by 心如)
 

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そこは自分で考えてくれ(其の伍) [政治]

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『そこは自分で考えてくれ』(池田清彦/角川学芸出版)
平成二十一年三月十五日 初版発行

(P35より引用)

 私は大学に勤める前の三年間、定時制の高校の教師をしていた。非常勤ではなくて正規の教師である。生徒たちの学力はバラバラだったので、教科書など無視して自分なりのやり方で教えていた。時々、生徒達と一緒に飲み歩いた。定時制だから成年もいたし、未成年もいた。私より年上のオッサンもいた。今、こんなことをすれば、多分クビだろう(三十年以上前の話だから、もう時効である)。私が担任していた生徒たちは私によくなつき、何のトラブルもなかった。時々タバコを吸って生活指導の先生に見つかり私の所に回されてくる生徒がいた。私の説教はいつも同じであった。「バカヤロー、今度からは見つからないように吸え」。同僚の女の先生に、学校の決めたルールを生徒に厳密に守らせようとして、いつも生徒とトラブルを起こしている人がいた。ルールは人々の間のトラブルをスムースに処理するための便宜にすぎない。所詮、便宜にすぎないものを最終目的と勘違いする。これを原理主義と私は名づける。教員室で私の近くに座っていたその人は、正しいことをしているのにどうして生徒は私に反抗するのでしょう、と時々私に嘆いていた。私は、「それは大変ですね。頑張って下さい」と口では言ってニコニコ笑っていたけれども、バカは死ななきゃ治らないと心の中で思っていた。遠い昔の話である。
 教頭は困っていたようであるが、この女の先生はルール違反をしているわけではないので対処しあぐねていた。若い人は知らないだろうが、昔JRがまだ国鉄だった頃、国労(国鉄労働組合)や動労(国鉄動力車労働組合)の組合員は時々順法闘争というのをやっていた。運転士や車掌が厳密にルールを守ると電車が止まってしまうのである。組合員はルールを逆手にとって反抗していたわけだけれど、すべてのルールを厳密に守らなければならないとマジで考えるとエラいことになることはこのことからもわかる。世知にたけた市井の人はこれをクソ真面目と呼ぶ。クソがつくのはもちろん馬鹿にしているからである。真面目な馬鹿が国を滅ぼすのである。安倍も気をつけた方がいいと思う。
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 安倍晋三元総理が、クソ真面目かどうかは意見の分かれるところです。上手に嘘がつけるのが一流の政治家なのです。池田清彦氏のいうとおり、安倍元総理がクソ真面目だとすると、政治家としては二流以下だということになります。

 私は、鳩山由紀夫元総理のような見え透いた嘘をつく政治家が嫌いです。
 顧問弁護士がコピー一式を持っていたのに、関係資料は検察にすべて提出してある。秘書の裁判が終わって、手元に資料が戻り次第、内容を精査して説明すると、国会で答弁したのです。しかし、秘書の裁判が終わって資料が戻っても、今更説明する必要はないと言って約束を反故にしました。
 一国の総理が、手元に資料があるのに無いと嘘をついて説明を拒んだのです。鳩山元総理が、不真面目(不誠実)な人間であることは認めざるを得ません。
 その不真面目で馬鹿な政治家が、沖縄県民とアメリカ合衆国大統領の双方に口から出任せの嘘をつき、進退これ谷まって、政権を投げ出したのも事実なのです。

 真面目な馬鹿が国を滅ぼす可能性を否定しません。

 しかし、不真面目な馬鹿は、国を滅ぼす可能性がさらに高いと私は思います。

 結局、真面目であろうが真面目でなかろうが、一国の総理は馬鹿では務まらないということでしょうか。
 野田総理が、馬鹿でないことを祈ります。政権を投げ出すくらいなら、解散総選挙により、国民の信を問い直すべきです。たった数百人の国会議員の選択よりも、国民の選択のほうが優先するのは言うまでもないのですから。。。

(by 心如)
 

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四年間は消費税を上げないと言ったのは誰…!? [政治]

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http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819481E3E7E2E3958DE3E7E3E2E0E2E3E39F9FEAE2E2E2
安住財務相、消費税5%上げを国際公約 G20会議
基礎的財政収支を20年度に黒字化

2011/10/15 22:47

 【パリ=木原雄士】安住淳財務相は20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、消費税率を5%引き上げるための関連法案を来年の通常国会に提出すると説明し、日本の財政健全化の取り組みに理解を求めた。増税と同時に社会保障費の抑制を進め、基礎的財政収支の赤字を2015年度に10年度比で半減、20年度に黒字化することも併せて表明した。

 消費税の増税をめぐっては、景気への悪影響などを理由に与党の民主党内にも反対論がなお残る。今回、安住財務相が期限を示して消費税の増税を国際公約したことで、今後の国内の議論に影響を与えそうだ。
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 安住淳財務相は、国民になんの説明もないまま、5%の消費税率引き上げを国際公約としたそうです。

 来年の通常国会に関連法案を提出するとのことだが、いま消費税を引き上げたら、国内消費は一層冷えこんで、税収は増えるどころか減るのではないかと思います。
 いきなり5%の引き上げを行うのか、それとも、毎年、1%ずつ引き上げて、五年間で5%の引き上げとするのか。いずれにしても、景気の回復がなければ、消費税率を5%くらい引き上げても、基礎的財政収支の黒字化なんてできっこありません。

 仮に1%の引き上げで、2.5兆円くらいの税収増が見込めるとして、5%の引き上げでも、税収は12.5兆円しか増えないのです。毎年の財政赤字は30兆円を超え、最近は40兆円も突破しています。12.5兆円の税収増なんて、焼け石に水なのです。消費税率の引き上げだけで、財政赤字を解消しようとしたら、経済の低迷がないとして、消費税率は20%くらいにしないと無理です。2020年度に財政収支を黒字化するということは、それまでに、消費税率を20%に引き上げるという意味だろうと思います。これは、100円のモノを買うと、20円の消費税を払わないといけなくなる計算です。

 年収、1000万円以上の高給取りなら、20%の消費税を払うことが可能かもしれません。でも、格差が広がり、非正規雇用の契約社員、派遣社員、パート・アルバイトが増えています。年収200万円にも届かない者も大勢いるのです。そういう低所得者には、20%の消費税は厳しいと思います。安いモノしか売れなくなって、デフレがさらに進みそうな気がします。

 生活がさらに苦しくなって、若者は結婚も出産もできないかも… 少子高齢化が一層、加速すると思います。そして、さらに税収が減るのです。日本は、財政赤字スパイラルにはまり込んでいくのではないかと思います。

 2009年の解散総選挙の際、民主党が政権をとれば、国民の生活が楽になると、当時の鳩山代表は言っていたと思います。財源なんて、無駄を省けば20兆円くらいはすぐに出てくる。四年間は消費税の引き上げはしないと明言していたのですが…

 でも、やっぱり大嘘でしたね。


 資金に余裕がある人は、消費税が上がる前に、必要なモノを買っておいたほうが賢明かもしれません。

 うちは、そんな心配をする必要がないと、妻が言っていますけど…^^;

(by 心如)
 

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火事場泥棒だろ…!? [政治]

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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-23373420110927
民主税調が復興増税案を決定、所得増税は14年1月から10年間
2011年 09月 27日 21:43 JST

 [東京 27日 ロイター] 民主党税制調査会(藤井裕久会長)は27日夕に総会を開き、所得税を2014年1月から10年間増税することなどを盛り込んだ復興増税案をまとめた。

 増税が景気に与える影響を懸念する声が根強い党内に配慮し、議論の最終段階で個人住民税の課税開始時期を1年先送りすることで決着した。増税期間も「10年を基本としつつ、与野党協議を行う」とし、今後の議論に幅を持たせ、将来的にさらなる税外収入などの財源が確保できた場合は「時限的な税制措置を減額する」ことも明記した。

 復興増税11.2兆円の課税対象となったのは、法人税と個人所得税、個人住民税、たばこ税。法人税は早期の増税開始と終了を求める声が多いとして12年4月から3年間実施するが、個人が対象となる住民税は景気への影響を緩和する狙いから、14年6月実施と当初案から1年先送りした。たばこ税は国税・地方税合わせて1本2円の増税となるが、期間は12年10月から国税10年・地方税5年とした。

 復興増税をめぐっては、党内からも景気に対する悪影響を懸念する声が相次ぎ、増税そのものに反対する意見も根強かった。こうした声に配慮し、最終案には税制措置の期間について「経済に配慮する観点から、負担を抑制しつつ、できる限り早期に措置を終える」と景気への配慮を挿入した。藤井会長は税調案のとりまとめを受け、「最後まで(増税に)反対した人がいるが、その人達には与党としての誇りある態度をとってほしいと言った。(党内の)大多数はこの案に賛成だと思う」と語った。

 民主党では、税調の決定を踏まえて政策調査会が税外収入や復興債の償還期間などを議論。27日中に、これらを合わせた復興財源について政府・民主3役会議で決定する意向。早期に与野党協議に移り、震災復興を中心に円高対策を含む2011年度第3次補正予算案の具体的な編成作業に着手したい考え。

(ロイターニュース 伊藤純夫 基太村真司;編集 山川薫)
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 こんな馬鹿げた政党に政権を与えた国民が馬鹿なのですが…

 復興プランもないのに、増税プランだけは決定したようです。

 毎年、三十兆円とか四十兆円の赤字国債を発行しているのに、その半分にもならない震災復旧・復興費のために増税するなんて。。。

 だったら、とっくの昔に増税して財源を確保していないとおかしいと思います。たった一回限りの、震災復旧・復興費と、毎年の赤字国債の発行を比べたら、どちらが財政に負担になるのかくらい、小学生でも解ると思いますが…

 ちなみに、今年度中に、政府の債務残高は1000兆円を超えるそうです。金利が1%だとしても、毎年の利払いは10兆円になります。元金の返済はおろか、利息の支払いすらできず、赤字国債と国債の借り換え時の利払い10兆円を足すと、毎年、50兆円ずつ政府債務が増えていく計算です。
 国民の金融資産は、1400兆円と言われていますので、政府と地方自治体を合わせた公的債務は、国民の金融資産すべてを使い込んでしまう計算に近づいています。


 震災の復旧・復興に使うと言えば、国民が我慢すると思っているのでしょうか。

 野田政権を、財務省内閣とか増税内閣と呼んでいる人もいますが、

 私は、「火事場泥棒内閣」と呼ぶべきと思います。

(by 心如)
 

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どんな成果を上げたのか…!? [政治]

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社民離党の辻元清美衆院議員、民主党入りの方向

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 社民党を離党した無所属の辻元清美衆院議員(大阪10区)が、民主党入りする方向となったことが7日、分かった。


 辻元氏は7日、読売新聞の取材に対し、「民主党側から入党要請を受け、対応を検討している。今週中には結論を出したい」と語った。民主党大阪府連は10日の常任幹事会で辻元氏の入党を了承する方針。正式に入党が決定すれば、衆院大阪10区支部長に就任する見通し。


 辻元氏は、鳩山政権で国土交通副大臣を務めたが、社民党の連立離脱に伴い辞任。昨年8月には同党を離党した。菅政権では東日本大震災後、災害ボランティア担当の首相補佐官を務めた。

(2011年9月7日20時19分  読売新聞)
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 辻元清美議員が、民主党に入るそうだ。

 菅政権では、東日本大震災後、災害ボランティア担当の首相補佐官を務めたそうですが、いったいどんな成果を上げたのでしょうか。

 社民党を離党し民主党に入るなんて、次の選挙では当選できると思っているのかな…

 いろいろ話題になることが多い方ですが、今一、なんの成果も上げてないと感じるのは、私だけでしょうか。

(by 心如)
 


タグ:民主党
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太陽光発電はもっと高いよ…!? [政治]

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http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2011/08/26/20110826ddm008020154000c.html
再生エネルギー・現場からの報告:/4止
小水力発電 ネックは高額初期費用

 ◇供給安定、急流多い日本で潜在力

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 湧き水が豊富な長野県茅野市の八ケ岳山麓(さんろく)。年中ほぼ一定の水量が小川となって別荘地を流れ、下流では農業用水にも使われる。丸紅は昨年6月、この小川の途中に3億円かけて小水力発電施設をつくった。

 設備は広さ70平方メートルの建屋に水車が一つ。上流で取水した毎秒0・5立方メートルの水を、65メートル下にある水車に落として、最大出力260キロワット(500世帯分)の電気をつくる。発電所のそばで温泉旅館を営む荻原高年さんは「環境への負荷が少ないことが観光客にアピールできる」と歓迎する。

 00年に参入した丸紅は茅野市など計六つの小水力発電施設を運営。大西英一電力事業チーム長は「山が急峻(きゅうしゅん)で流れの急な川が多い日本は潜在力が大きい」と話し、20年までに全国30カ所での事業化を目指す。

     ◇
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農業用水に使われている八ヶ岳山ろくの湧き水の一部を発電用に取水する。湧水量は年間を通して一定で、発電に適している=長野県茅野市で

 農業用水に使われている八ヶ岳山ろくの湧き水の一部を発電用に取水する。湧水量は年間を通して一定で、発電に適している=長野県茅野市で 「東京ディズニーランド(TDL)や家庭で使う水は電気も起こしています」。千葉県水道局の妙典給水場(市川市)は08年から、市川・浦安市内の上水道を利用した水力発電を始めた。TDLや家庭に送る水道水の水圧を使って水車を回し発電する仕組みで、得られた電力(年128万キロワット時)を自家消費している。

 発電施設は東京電力子会社の東京発電が運営。小水力発電よりさらに小さい妙典給水場のような発電施設は「マイクロ水力」と呼ばれる。設備投資額は主流の出力100キロワット級で4000万円程度。電力会社への余剰電力の売電価格は現在1キロワット時当たり8円程度で、投資回収には10~15年かかる。

     ◇

 普及のハードルは発電量が少ない割に、施設整備などでの数千万~数億円の高額な初期費用。3~5年かかるケースもある水利権の取得手続きの煩雑さも参入の妨げだ。東京発電は「来年7月からの再生可能エネルギー固定価格買い取り法(再生エネ法)施行で売電価格が上がれば、投資資金の調達や回収がしやすくなる」と期待する。ただ、再生エネ法による固定価格買い取り制度導入と引き換えに、初期投資の3分の1を補助する国の支援は打ち切られる。

 小水力発電は拠点を増やさないともうからない「薄利多売」(丸紅)だけに、参入に二の足を踏む企業も。ただ、地域の集落が自前で電気を賄う「地産地消の電源」は魅力だ。

     ◇

 日本の再生エネの年間発電量は全体の約10%(国際エネルギー機関調べ、08年)だが、大規模水力を除けば、3%以下。菅直人首相は再生エネの発電量を20年代に全体の20%に引き上げる方針を示したが、買い取り価格を高めれば、その分は電気代に転嫁され、家計や企業を苦しめる副作用がある。国民負担を抑えつつ、再生エネをどう普及させるか。規制緩和も含めたきめ細かな戦略が必要だ。【寺田剛】=おわり

 ◇小水力発電

 農業用水や水道施設などに設置され、高低差による水の流れを利用して水車を回し、発電機を動かす。発電規模は小さいが、天候次第で発電量が大きく落ち込む太陽光や風力に比べて、安定的な電力供給が可能。

 経済産業省の調査によると、水力発電に適した一般河川は全国で約2700地点あり、大半が小水力発電向け。これらの河川全部に水力発電設備を設ければ、発電容量は計1200万キロワットに達し、原発10基分以上に相当するという。

毎日新聞 2011年8月26日 東京朝刊
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 100kWで4000万円というと、確かに初期費用が高額だと感じます。でも、よく考えてみれば、そんなに高額ではないと思います。

 例えば、家庭に設置されることが多い3kWの太陽光発電パネルは250万円くらいします。太陽光発電パネルで発電容量を100kWにするには、
100kW ÷ 3kW × 250万円 = 8333.3万円
と、なります。
 同じ100kWの発電容量の設備を設置するのに、小水力では4000万円、太陽光発電パネルでは8333万円必要なのです。単純計算でも、小水力は、太陽光発電パネルの半分以下の設置費用となります。

 さらに、発電設備の稼働率を加味すると、小水力は立地によって発電に必要な水さえ確保できれば80%くらいの稼働率が期待できます。太陽光はお天気次第ですが、夜間の発電はもちろん不可能で、せいぜい13%くらいの稼働率しか期待できません。
  小水力:100kW × 0.80 × 365 × 24 = 700,800kWh/年
  太陽光:100kW × 0.13 × 365 × 24 = 113,880kWh/年
 年間の発電量を、小水力と太陽光で比較すると、6倍以上も小水力発電のほうが、発電量が多い計算になります。
 初期費用が、小水力のほうが半分以下ですから、費用対効果で考えると、小水力発電は太陽光発電の12倍もコストパフォーマンスが良いと言えると思います。

 太陽光発電と小水力発電を比較すると、設置費用は太陽光のほうが12倍高額になるのです。しかも、太陽光発電はせいぜい20年くらいしか寿命がありません。小水力発電なら、きちんと設置し保守すれば60年くらいは使えます。設備の耐用年数を加味して考えると、その差はもっと広がるのではないかと思います。

 日本には、1200万kW分の水力資源があるそうです。効率の悪い太陽光発電パネルの設置に補助金を出すくらいなら、小水力発電設備の設置を急いだほうが、どれだけ国民のためになるか。小学生でも分る話だと思います。

 原子力発電を推進するために国家予算が年間に何千億円も使われていると聞きます。そんなことに税金を無駄遣いするくらいなら、小水力発電を推進すればよいのです。放射能も二酸化炭素も出さない、本当にクリーンなエネルギーが実用化できるのですから。。。

 どちらにしても、太陽光発電のような効率が悪く、寿命も短いものを、一般家庭に押し付けるような政策を考えるふざけた官僚と財界人をこのまま許しておいてよいのだろうか…

(by 心如)
 


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やっぱり、「想定外し」だった! [政治]

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http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110824-OYT1T00991.htm
『東電、15m超の津波も予測…想定外主張崩れる』

 東京電力が東日本大震災の前に、福島第一原子力発電所に従来の想定を上回る10メートル以上の津波が到来する可能性があると2008年に試算していたことが政府の事故調査・検証委員会で明らかになった問題で、東電は同じ試算で高さ15メートルを超える津波の遡上(そじょう)を予測していたことが24日わかった。

 大震災で同原発は、14~15メートルの津波に襲われたが、「想定外の津波」としてきた東電の主張は、15メートル超の遡上高の試算が明らかになったことで崩れた。東電は試算結果を津波対策強化に生かさず、大震災4日前の今年3月7日に経済産業省原子力安全・保安院に対し報告していた。
 
 東電によると、国の地震調査研究推進本部が02年7月に新たな地震の発生確率などを公表したのを受け、東電は、08年にマグニチュード(M)8・3の明治三陸地震(1896年)規模の地震が、福島県沖で起きたと仮定して、福島第一と第二の両原発に到達する津波の高さを試算した。第一原発の取水口付近で高さ8・4~10・2メートルの津波が襲来。津波は陸上をかけ上がり、1~4号機で津波の遡上した高さは海面から15・7メートル、同5・6号機で高さ13・7メートルに達すると試算した。
 
(2011年8月25日10時31分  読売新聞)
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 過去記事(想定外と言えるのか…!?想定外と言えるのか(その二))に、3月11日の東日本大震災は本当に想定外と言えるのか、という内容で二回ほど書かせて頂きました。

 このたび、明治三陸沖地震(1896年)と同規模の地震が、福島県沖で起きた場合、15メートルを超える津波が、福島第一原発を襲う可能性があると、東電が想定していた事実が明らかになったようです。

 つまり、想定はしていたが、その想定を採用すると、原発の運転ができなくなるので、想定から外したというのが真実だったのです。

 自分たちの金儲けにとって、都合の悪いことは無かったことにする。洋の東西を問わず、文明社会ではよくある話です。

 人命よりも金儲けを優先するのなら、強盗とどう違うのか説明してもらいたいものです。

 産官学の共同体と政治家は、国民の命よりも、自分たちの権益を重視するのです。

 彼らのいうことを鵜呑みにし、飼い慣らされていても大丈夫なのでしょうか。

 子供や孫に、こんな馬鹿げた社会を残して、本当によいのだろうか。

 皆さん、ひとりひとりが、よく考えて頂けたらよいのだと思いますが…

(by 心如)
 


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総理、あなたの使命はなんですか…!? [政治]

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http://www.news-postseven.com/archives/20110804_27512.html
【陸上自衛官 総理のハエ駆除指令に「民間でやればすむこと」】
2011.08.04 16:00

 10万人が動員された東日本大震災の災害派遣は、自衛隊にとって紛れもなく「史上最大の作戦」であった。
 
 だが、現場で作業にあたった自衛官たちは「政治のパフォーマンス」に振り回され、それが復旧・復興の障害となった一面もあったようだ。現地で活動した陸自2佐、陸自1尉、海自2佐、海自3佐の4人が、何が起きていたのかを本音で語り合った。
 
 * * *
 ――10万人動員、不安はなかったか。
 
陸自2佐:あの人数には北澤俊美・防衛大臣もカウントされている(笑)。しかし、軍隊の常識から言えば、ありえない動員のやりかただった。2万人派遣の計画を立てていたら、途中で5万人と指示され、その対応を取ろうとすると今度は10万人だと。実際の任務を前提にすれば根拠のない数字であり、現地の事情を何も考えていない。
 
海自2佐:10万人となると首都防衛にも影響する。国家の一大事とはいえ、無計画に10万人と言われて、それが心配だった。
 
陸自1尉:災害派遣で自衛隊の任務は救援と支援。復旧は第一義的には自治体の仕事で、われわれはその支援にあたります。今回はその自治体が大きな被害を出して機能しなかったから、われわれのできることはすべてやった。
 
 ただ、総理は復旧作業は自衛隊がやる仕事だと勘違いされているとしか思えません。自衛隊を頼っていただいているのはわかりますが、6月いっぱいで災害派遣のJTF(統合任務部隊)が解散し、撤収作業を進めていたところに、今度はハエの駆除をやれと指示が出たから「防疫支援隊」を多数編成しました。防疫は重要ではあるが、民間の専門業者を大量投入すればできることじゃないですか。
 
陸自2佐:政府も自治体も、民間業者に依頼すればカネがかかるが、自衛隊ならタダで済むと思っている。
 
海自3佐:それが理由なら自衛隊を頼っているというより便利屋扱いしているだけ。総理はかつて、「改めて法律を調べてみたら、『内閣総理大臣は自衛隊の最高の指揮監督権を有する』と規定されており、そういう自覚を持って役割を担っていきたい」とおっしゃったが、最高の指揮権と何でも自分の権限で自衛隊を動かせるということは違う。
 
※SAPIO2011年8月17日・24日号
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 自衛隊を、「暴力装置」と言ってみたり、「便利屋」扱いしてみたり…

 これが、民主党政権の自衛隊に対する評価なのでしょうか。

 国民の生命と財産を守るという使命を担っているのは、政権担当者である総理なのです。

 その使命を全うするために、総理の命令を命を懸けて実行するのが自衛隊なのです。

 いまの政権には、その根本的な使命感が欠如しているとしか思えません。


 それに比べて、名も知らぬひとりの少女が書いた手紙をみて下さい。

【大川小の行方不明者捜索自衛官に勇気を与えた小学生の手紙】
うみさんの手紙.jpg

 この「うみ」さんの手紙を見た自衛隊員が、どれだけ勇気づけられ、士気を高めたことか…


 何度でも言います。

 菅さん、あなたは国を統べる器ではありません。

 国民のことを、ちょっとでも想う気持ちがあるのなら、国を統べる能力のある人に、一刻も早く交代するのが、せめてもの罪滅ぼしだと思います。

(by 心如)
 

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政治主導とは、政治の私物化のことなのか…!? [政治]

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http://diamond.jp/articles/-/13368
田中均・日本総研国際戦略研究所理事長、政治を問う
「なぜ小泉以降の首相にはリーダーシップがないのか。
 官僚機構を信用し戦略を練らずして結果は作れない」

 戦略を欠き、方途が見えない政治
 結果を作るためには何が必要か

 今ほど日本のトップたる首相の権威が失墜した時期が、あったのだろうか。国内の雰囲気だけではなく、外国に行って議論しているとそれを如実に感じる。
 こうした状況をもたらした最大の要因は、首相が国家の統治に対して明確な意識を持たなかったからではないか。昨今の日本の政治指導者は、願望や理念を語ることはあっても、複雑な利益が錯綜している社会において結果を作るための道筋を考えているとは思えない。
 「普天間基地は最低でも県外に移設する」「TPPは第三の開国である」「脱原発依存」など、私たちは願望に満ち満ちた政治的声明の数々を聞いてきた。日本に余裕があった時代ならまだ許される。しかし、日本にもうそんな余裕はない。
 大震災からの復興、電力不足への対処、GDPの200%に達する公的債務の削減、少子高齢化の下での社会保障の抜本的改革などなど、切羽詰った真剣勝負が求められている時代である。「道筋を示せ」「願望より結果を作れ」と人々が考えるのは、当然のことである。
 しかし、結果を作るための方途は一切見えてこない。戦略が欠けているということである。結果を作る戦略に不可欠な要素とは一体何なのだろう。
(以下略)

政治のリーダーシップ.JPG
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 菅さん、貴方のやっていることは、政治の私物化であり、政治主導とは言えません

 日本は、曲がり形にも法治国家なのです

 法に基づかないことを、行政の長である総理大臣がやってはいけないのです

 そんなことは他人に言われなくても分っているはずです

 総理の権力で巨額脱税の罪を逃れた鳩山前総理も情けない人でしたが

 菅さんのやっていることも大差はありません

 政治主導とは、貴方の個人的な思いつきで、政治を弄ぶことではないのです

(by 心如)
 


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政治家が騙されてどうする…!? [政治]

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http://president.jp.reuters.com/article/2011/07/22/1A1E4568-AB91-11E0-837D-FFE93E99CD51.php
『騙すほうが悪いか、騙されるほうが悪いか』
飯島 勲 「リーダーの掟」
プレジデント 2011年7.18号

バカな鳩山.jpg
「ズルい菅、ワルの小沢、バカな鳩山」
定評となりつつある永田町……。(写真=PANA)

大半の政治家は、票とカネにしか興味がない。誰かと名刺交換をすれば、「こいつは票になるのか、カネになるのか」を瞬間的に判断する。


 政治家から届く「招待状」の意味

 政治家から政治資金集めパーティへの招待状がきたことはないだろうか。会の趣旨、日時、発起人の名前が連なっていて、「会費3万円」と書かれた文字の上に、わざわざ「ご招待」とスタンプが押されているそれだ。
 なぜ、「ご招待」とだけある招待状を送ってこないのか。3万円を暗に払えと言われているような気がする。よく読むと、パーティの発起人が、5人も6人もいて、誰から送られてきたかよくわからない。推測するに、招待状に潜む政治家の意図はこうだ。
 自分に信用がないと自覚がある。加えて、業界のドン、組織のボス、派閥のボスの名を発起人に入れておけば、関係団体や官庁、企業が一枚ぐらいはお付き合いで買うと信じている。発起人全員が出席することはまずないが、パーティにさえ来させれば、雰囲気にのまれて自分のことをすごい人間だと錯覚するだろう。どんなに情けない自分であっても、演壇に立った出席者はみな自分のことを手放しで褒めてくれるのだから。
 パーティなど開かなくても立派に立法活動をしている政治家がいる以上、必要以上にお金を集める理由がどこにあるのだろう。しかしこの手口、どこかで見たことはないだろうか。

 ペテン師。そして詐欺師だ。

 人の良心につけ込む永田町の住民たちの本来の職業の名だ。

 最近、鳩山由紀夫氏は、菅直人総理をこう呼んだが、その鳩山氏であっても、「(普天間移設に)腹案がある」と言って実はなかったり、「政治家を辞める」と言って辞めなかったり、と菅総理を責める資格のないような言動を繰り返していた。権謀術数蠢く永田町にあって、騙すほうも悪いが、騙されるほうはもっと悪いと思う。国民の生命と財産を預かる政治家にとって愚かであることは、すなわち罪なのだ。
 政治家が騙される詐欺事件は後を絶たない。問題が表ざたになると地元での評判が地に落ちるために、明るみに出ていないことも多い。今回は、北海道の何の価値もない原野を何倍もの値段で買ってしまった実際の事件をお教えしたい。
 大半の政治家は、票とカネにしか興味がない。誰かと名刺交換をすれば、「こいつは票になるのか、カネになるのか」を瞬間的に判断する。票にもカネにもならないとなると、すぐに興味を失い、その場だけやり過ごす露骨な態度に出る。だから、人気も出ないし自分の政治活動が安定しないのだが、愚かだからそのことに気づけない。

 パーティ会場。ペテン師が、政治家に近寄る。

 「ご紹介したい地元の資産家がいるので、のちほどお引き合わせしたい」

と、アポを取り付ける。

 後日、さらに立派な身なりの人間(A)をつれてペテン師は国会の事務所に現れる。

 「実は、北海道で豊富な石油が採れることがわかった。相談に乗ってほしい」

 身構える政治家に対し、ペテン師は誠実そうに語りかける。

 石油の第一発見者であるAは採掘権を得たが、地権者から周辺の土地の権利すべてを買いたいので、議員先生に力を貸してほしいというのだ。

 半信半疑の政治家であったが、ひとまず、現地に視察に来てくれないかと誘う。議員特権があり、北海道への飛行機代が無料(もちろんエコノミークラスではない)の政治家は快く引き受ける。宿泊費もAに出せと要求するだろう。

 北海道の原野である。空港から数時間、道なき道を車で走り続け、やっとクルマが止まった。

 Aは政治家に言う、

 「ここから30分ほど歩きます」

 日ごろ、運動という運動をしていない政治家は渋い顔をするが、石油利権にからめるのならば、と歩きだす。最近のガソリンの高騰も頭から離れず思わず微笑がこぼれる。

 「着きました」

と、Aが言う。政治家が辺りを見回すと、黒い液体が周辺一体に水溜まりを作っている。Aは、カバンからおもむろに試験管を取り出すと、政治家にその黒い液体を入れるように促す。

 政治家は、ジッと黒い液体を睨む。確かに、臭いといい、粘り気といい石油に見える。Aは、そこで、

「これを持ち帰って、その液体の正体を調べてもらいましょう。臭いをかいでいただければ、石油であることはわかっていただけると思います。しかし、問題は石油の質なのです。現在まで、日本でも石油が採れる場所はたくさんありました。しかし、そこでうまくいかなかったのは、石油の質がよくなかったからなのです」

 政治家は、確かにそうだ、とうなずき、いくつかの試験管に複数の個所から石油を採取し、栓をして、自分のカバンに大事そうに入れた。

 憐れ! 政治家、強欲の末路

 札幌のすすき野の夜を十分に楽しんだ後、政治家は北海道を後にした。もちろん帰りの飛行機代も国民の税金だ。
 帰ると、政治家は経済産業省の役人を呼んだ。
「極秘で、この試験管の中の液体を分析しなさい。おそらく石油ではないかと思われるが、その石油の質が、一般に流通しうるレベルなのかどうかまできっちり調べなさい。この調査の目的や理由などは決して探らないこと。私の言われたことを官僚が直ちに行う。これこそが政治主導だ」

 1週間ほどたって、官僚は分析結果を持ってやってくる。

「どの試験管もほぼ同じ成分でした。どれも正真正銘の原油です。通常の方法で精製すれば一般のガソリンスタンドでも扱えるほどの上質の原油でした。先生、これをどこで手に入れたのですか」

「余計なことは聞かなくていい、もう下がってくれ」

 政治家は、Aを国会事務所に呼ぶ。

「あの件だが、地権者とどんな話になっているのだ」

「地権者は、まだ石油が出ることを知らないのですが、私があの土地を買うことを不審に思って、土地を買う理由を教えないなら相場の5倍の値段で購入せよと言ってくるのです。20万坪もあるあの広大な原野をその値段で買うことはできません。そこで困って先生のところへご相談にあがったのです」

「それならば、私が直接その人と交渉してあげよう。その方の連絡先を教えなさい」

 連絡先を知った政治家は、すぐに地権者に電話をかけ、「10倍の値段、1坪500円で20万坪を買う。1億円だ。ただし理由は聞くな」と持ちかけ、相談を受けたAからの石油利権の横取りをも狙う。

 しかし――。実際に、北海道の原野に溜まっていた石油は、政治家が視察に来る前に、ペテン師が撒いたものだったのだ。強欲に満ちた政治家はそうとは気づかず、わざわざ公的な証明まで出させて罠にはまり込む。

 この手口では、何一つ証拠が残らない。政治家は「理由も告げないことを条件」に土地を購入したにすぎない。

 政治家事務所に陳情に来るような案件は、どうしようもないものばかりだ。企業にも、法律にも、銀行にも、見捨てられてからやってくる。官僚もそれを心得ていて、「政治家案件」の陳情は聞くだけ聞いて受け流すのが常道だ。しかし、愚かな政治家はすぐ騙されてしまう。

 実はもう一つ、永田町を席巻した、いわゆる「M資金」と呼ばれる大型詐欺事件がある。実際の銀行、ホテルを舞台に、大規模な詐欺集団の手によって、大金がめまぐるしく動くダイナミックな事件だった。愚かな政治家はここでも間抜けな行動に出て大金を失う。本連載の読者諸賢が類似の詐欺に巻き込まれないため、詳述したいのだが、残念、紙数が尽きた。
―――

 この記事の内容が事実だとしたら、阿呆な政治家もいたものです。表沙汰になれば、自分の恥をさらすだけなので訴えることもできないかと。

 政治家の仕事には、上手に嘘がつけるという能力が必要なはずです。その政治家が、詐欺師のペテンにかかるなんて… どちらにしても、最近の政治家は、嘘が下手になったと思います。民主党だけでなく、自民党やその他、国会議員の言っていることが、みえみえの嘘ばかりなのは閉口します。

 最近の政治家は、国民を失望させるしか能がないみたいですが、本来の政治家の仕事は、国民に希望を与えることではないかと、私は思います。たとえ小学校しか出ていなくても、国民に希望を与えるのが良い政治家なのです。優秀な(試験の成績が良い)人間が、必ずしも良い政治家にはなり得ないのは、国民を上手に騙す能力がないからではないかと思えてなりません。

(by 心如)
 


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