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この国を動かしているのは…!? [政治]

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『官愚の国』―なぜ日本では、政治家が官僚に屈するのか―
(高橋洋一/祥伝社)
平成23年3月30日 初版第1刷発行

 はじめに

 なぜ日本では、いつまでたっても「政治主導」ができないのか。それは官僚が抵抗するからだ、と読者はすでに知っている。
 民主党政権の標榜する「政治主導」が画餅に帰したことは言を俟たない。2011年1月菅直人改造内閣に経済財政担当相として与謝野馨氏が入閣し、78歳の藤井裕久氏が官房副長官に起用された。与謝野氏の「たちあがれ日本」離党はもとより、「健康上の理由」から一時は財務大臣の職を辞した藤井氏の復帰に、眉をひそめた国民は少なくない。
 複数のメディアも指摘するとおり、この人事には明らかに財務省の意向が強く働いていた。稿をあらためて述べるが、水面下での牽引者は丹呉泰健前財務事務次官と言われる。消費税増税論者である政界の重鎮二人を閣内に送り込むことで、近い将来増税への布石を打つ。増税はつねに財務省の“最終目標”のひとつである。
 ここに「政治主導」が骨抜きにされ、「官僚主導」が優越した典型を見るのは私だけではあるまい。官僚にとって政治主導は、権限・権益が侵害されることを意味する。自らの思惑どおりに政治権力を操りたい。そのために策略をめぐらすのが官僚の習性である。

 むろん、この官僚主導という日本国の構図は今に始まったことではないし、周知のように、かねてから官僚制の弊害は批判に晒されてきた。
 それを承知で、私は日本の官僚の持つ特質を体験的に指摘してゆこうと思う。1980年に財務省(当時は大蔵省)に入省して以来、退職までの28年間を、私は「霞が関」という面妖な官僚集団の中で過ごした。今では「霞が関を敵に回した男」という、ありがたい称号を頂戴している(あるいは「霞が関埋蔵金男」とか「暗黒卿」とも呼ばれる)が、霞が関の住人として実をもって味わった諸事象から、官僚と官僚制を論じるのが本書の趣旨である。その意味で、数多あるステレオタイプの官僚制研究や官僚批判とは一線を画すつもりだ。なお、ここで言う「官僚」とは、いわゆる「キャリア」を指す。

 民主党の枝野幸男氏は、はからずも「政治主導なんてうかつなことを言ったから、大変なことになった。与党がこんなに忙しいと思わなかった」と公言した。官僚に依存しなければ政権与党として機能できない、と泣き言を漏らしたに等しい。党幹事長代理時代の2010年11月14日のことである。その枝野氏が今、官房長官の要職を務めている。菅氏に至っては、内閣改造後に事務次官たちを集め、「政治主導に行きすぎがあった」と陳謝したという。まるでマンガである。
 政治主導の政治、と書いてみると、その字面にどこか奇妙さを覚える。奇妙さの理由は「政治主導の政治」が当たり前のことだからだ。日本はいつまでたっても、当たり前のことができない。なぜなのか。本書はその解を求める試みである。

 2011年3月
                                    高橋洋一
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 この日本という国を動かしているのは「お上」と呼ばれる者たち、つまり政府・官庁(=官僚)であって、政治家ではないのです。

 そんな馬鹿な… という人が中にはいるかもしれませんが、そんなことはいまさら言う必要がないという人も沢山いると思います。

 どちらにしても、この現実が何を意味するのか考えないといけません。


 そうです、選挙で誰に投票し、どの党が政権を取っても、国民の生活はよくならないということを意味するのです。

 その証拠に、「政治主導」を標榜した民主党に政権交代しても、国民の生活は良くなるどころか、悪くなる一方ではありませんか。

 生半可な覚悟しか持たない政治家が、国民の人気(選挙の票)欲しさに、いくら「政治主導」を標榜しても、反って官僚の反発を招くだけだということは、いま現在の日本が証明していると思います。

 この国の予算を編成しているのは官僚なのです。国会(政治家)はそれを事後承認しているだけです。予算編成を実際にやっているのは官僚ですから、国を動かしているのは官僚だと言わざるを得ないのです。

 歳入(税制)を考えるのも官僚で、歳出(予算)を考えるのも官僚なのです。規模の大小は別にして、組織や団体の中では、お金の流れを握っている者が一番強い権限を持つのが常識ではないかと思います。

(ちなみに、我が家の財布は妻が握っています。よって、一番の権力者は妻です ^^;)


 政治家が政治の主導権を本気で持ちたいと思うのであれば、税制と予算を政治家が決めるという覚悟を持たねばなりません。

 いまのところ、日本の政治家には、そんな覚悟も能力もないのでは…

 立候補したときにいくら高い理想を持っていても、いざ当選してみると、官僚に屈したほうが楽なのは間違いなさそうです。

(我が家の家計も、妻に任せておいたほうが楽ですし…)

 政治家に大きな期待をしても可哀そうだと、言わざるを得ないのも事実のような。。。

(by 心如)
 



官愚の国

官愚の国

  • 作者: 高橋 洋一
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2011/03/19
  • メディア: 単行本


 これならなんとかならないかな… 我が家の財務省は、強いからなぁ。。。
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shira

 現在「政治主導」に最も熱意を持っている政治家は、実は小沢一郎です。それゆえ彼は霞ヶ関にはすごく嫌われています。彼は記者クラブが嫌いで、会見のオープン化に昔から熱心です。それで中央メディアにすごく嫌われています。彼は対米従属が嫌いです。だからアメリカからも疎ましがられています。
 私は昔は彼に関心はなかったんですよ。でも政権交代前後から彼に体する風当たりがちょっとヒステリックにきつくなったので、逆に興味が湧いてあれこれ調べる気になったんです。
by shira (2011-10-24 21:55) 

心如

shiraさん、コメントを頂きありがとうございます
 小沢一郎が、「政治主導」に一番熱意を持っているのが事実だとしても、その目的が問題だと私は思っています。
 何百人もお供を引き連れて中国を訪問したり、韓国で日本人を見下した講演をしたり… 彼が政治を主導しても、国益にかなうのか、国民の生活が本当に楽になるのだろうか。
 何度も繰り返しますが、
鳩山は、政治を金持ちの道楽としか思っていない。
小沢は、政治を金儲けの道具としか思っていない。
 この二人に政治を任せても、国民の幸せは期待できないというのが、私の評価です。
by 心如 (2011-10-24 22:22) 

figaro

今の政治家は、有名人で票集めができて、議席が取れる人が
多いですよね。この時点で政治家はたいした仕事ができない。
そう思ってしまいます。
色んな制度が変わっているのをみると、政治家も官僚も庶民の現実が
全く見えていないんだなぁ。と日々感じています。
本当に、日本に未来はないんじゃないかとさえ思ってしまいます。
by figaro (2011-10-25 00:05) 

大将

一時期
確か年金問題の頃だったでしょうか
この問題が浮き彫りになった時がありましたね
でも、すぐに忘れ去れたかのようにマスコミでは言わなくなりました
by 大将 (2011-10-25 00:11) 

侘び助

政治に無知な私でも引き込まれる分かりやすい政治の裏側が
by 侘び助 (2011-10-25 06:12) 

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