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学校教育の構造的問題!?(その四) [社会]

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 学習させない教育システム!?

 しかし、家庭学習に取り組み努力する生徒も、早々に挫折することになります。学力向上を目指しても、自力では学力を回復できないと知るだけです。

 なぜならば、教科書には、「何を学習するのか」「どのような練習をするのか」等の必要な説明も、十分な練習課題もないからです。参考資料も教師の説明に役立つだけで、自主学習には役立ちません。教員は家庭学習するように言いますが、生徒は、学習に必要な説明資料も適切な学習課題も与えられていないのです。

 日本の子供達は、世界一、家庭学習をしないと言われています。しかし、その原因は、学校で最低限の基礎も訓練されておらず、学習の方法が指導されず、必要な学習教材が与えられていないためです。学校で学習したことを家で復習するのが家庭学習ですが、何を学習したのかも分らない者は、取り組みようもありません。家庭学習をしないのではなく、取り組めない仕組みになっています。現在の学校教育は、「学校が、勉強しない子供を作り出している」と言える程に腐敗しています。

 課題に挑戦し学力を身に付け、学習への自信と意欲を育てるのが教育ですから、現在の学校は、「授業は行っても教育は行っていない」と言える現実があります。

 「教師の話を良く聞いて真面目に学習すれば、良い学力が身につく」とは、親が子供に言い聞かせてきたことです。ところが、現在の破綻した教育システムでは、教師の指示や指導に従って取り組んでも、最低限の学力も身に付きません。

 コンピュータや映像機器を使い、活発に見える授業が行われていても、生徒は、アルファベットも書けず、分数計算もできないままに取り残されています。授業らしい雰囲気が作られ、教師と生徒の活発な応答があっても、基礎的な知識も技能も身に付いていません。

 英単語、歴史・地理用語、方程式、科学用語、漢字熟語など、生徒達が覚え理解すべきことは、毎日、増えてゆきます。しかし、基礎的な知識や訓練が不足した状態であるため、能力の高い生徒でも、最低限の学力すら身に付きません。小学校では、九十点、百点を取っていた生徒が、急に三十点や四十点の点数しか取れなくなるのは、学校の授業を受けるだけの学習では、基礎的学力も身に付かないためです。

 部活動に救われている生徒もいますが、夕刻遅くまで行われ、土日にも行われる活動が、時間と体力を奪っている面もあります。生徒の非行を防ぐための全員部活の方針が、学習時間の確保を困難にして、低学力からの脱出を難しくもしています。

 現在の日本の教育システムでは、学校に教育を期待することはできません。良い高校や大学に進学させたいと思えば、学校教育に期待せず、入学前から学習塾に行かせることが必要です。「学習塾にかける金額で学力が決まる」と言われるのは、学習塾無しには、学力が身につかない実態があるからです。

 ほとんどの子供は、良い指導があれば、高い学力を身に付けることができます。しかし、学校での基礎学習が不充分なため、学習塾等で個別の訓練や指導を受けることが、学力獲得に不可欠なのです。
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