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なぜ検証をしないのか…!? [科学]

 今日までは、良いお天気でした。明後日くらいから、お天気は下り坂とか… 何だか、週末になるとお天気が悪くなるような、困ったものです。
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 クルマに給油しました。ガソリンが1リットル、136円になっていました。少しは安くなったが、円高の割にはまだまだ高いと思います。円高差益はどこに消えたのか…!?
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『日本を愛すればこそ、警鐘を鳴らす」―論戦2010―
(櫻井よしこ/ダイヤモンド社)
2010年6月17日 第1刷発行

 第四章 矜持なき国は滅びる

CO2温暖化説、
日本はなぜ検証しないのか

 まだ暗いうちから起き出して少し空が明るくなる頃、ちょうど仕事に区切りがついた。障子を開けてみて驚いた。庭一面、雪で覆われている。急いで障子を全開にして、雪の舞い降りる様を眺めた。なんと静かで美しいことか。
 今年(2010年)二度目の雪である。サクラの花の頃まで、まだ幾度か降るのだろうか。
 それにしても、今年の冬の寒さは厳しいような気がする。今年数え年で百歳になる母と同居しているために、なるべく家を暖かく保っているが、いちばん寒いのが私の書斎である。去年も一昨年も同じ条件のはずなのだが、今年の寒さは例年以上だと感ずる。ずっと座って何時間も仕事をする人間の、それが、体感である。
 そんなとき、CO2削減や排出枠取引などの問題とはまったく別に、温暖化問題について考える。ワシントンの大雪情報を報じながら、古館伊知郎氏が「報道ステーション」で思わずこんなふうに言っていた。
「温暖化だというのにこの大雪、寒さ。私の頭の中も混乱しています」
 氏は、温暖化問題というと、いくぶん声を低めにして深刻な表情をつくり、「CO2問題は待ったなしです」などと、警告を発してきた人物だ。氏の気持ちも想像できないわけではないが、私は思わず呟いた。「もう少し幅広く、情報をお取りなさいね」と。
 世界各国の主な気象研究所のデータを拾ってみると、地球の気温はこの10年、上昇をやめている。というより、下降しているのだ。かといって地球は広く、地域によって大きな差があるために、私たちはなかなか、科学的な数字そのものを体感できるわけではない。たとえば大都市の居住者は、膨大なエネルギーを消費する町の熱の中で暮らしているために、気温の下降は実感しにくいだろう。けれど、考えるための材料のひとつとして、主要研究所の観測データが気温の下降傾向示しているという事実だけは、頭に入れておくのがよいだろう。
 09年11月に、英国のイースト・アングリア大学気候研究所ユニットのコンピュータにハッカーが侵入し、研究者間でやり取りされた膨大なメールがネットに流出した。メールはIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の研究者らが書いたもので、その中にCO2と気候変動を因果関係で結び付けるために、数字に「トリック」を使ったなどという内容のものがあった。
 IPCCの報告書で、人類は早急にCO2削減に向けて対策を立てる必要があるなどの警告を発する側に立つ研究者らのメールにも、同様の内容が散見されたことから、国際社会はこの件で議論が沸騰した。欧米諸国では、この問題は議会で取り上げられもした。
 メディアも「クライメートゲート」として大々的に伝え、IPCCの研究者たちが、温暖化はCO2が原因だと結論づけ、宣伝するために、科学をどこまで歪めたのかを検証した。
 興味深いのは日本の反応だった。メディアの報道が非常に少ないのだ。古館氏のニュース番組は、CO2問題について熱心であることから、膨大なメールの中に一体何が書かれていたのかを、時間をかけて検証するのかと期待しないでもなかったが、番組で取り上げたとは私は寡聞にして知らない。
 鳩山由紀夫首相も、国連で25%のCO2削減を国際社会に向けて公約した立場から、本当に温暖化とCO2には因果関係があるのか否かを、もっと真剣に研究してもよいはずである。
 しかし、日本のどこを見ても、流出メールの検証をはじめ、CO2原因説に疑問を投げかけるまじめな議論は見当たらない。科学の目が、政治の目に圧倒されているのだ。CO2できわめて政治的な動きを展開してきた英国でさえも、CO2が温暖化の原因か否かを、疑い始めた今、日本こそ、もっと情報を大事にしなければならない。
(『週刊ダイヤモンド』2010年2月27日号)

【追記】―――
 2010年4月30日、日本学術会議が初めて温暖化の科学的根拠について公開の場で議論した。IPCCがこれまで4回にわたってまとめた温暖化に関する報告の化学的根拠の検証を試みたものだ。欧米諸国では、IPCC報告への疑問は冷静に、しかしきわめて明確に強固に語られているが、日本での議論はまだ不十分だと感ずる。学術会議の会合では、個々の専門家の意見は述べられたが、会議全体としての結論は打ち出されなかった。無論、簡単に結論づけることができるような問題ではないが、IPCC報告を聖域化せず、科学的な疑問をもっと深く議論する責任が専門家であればこそ、あるのである。
―――――

 なぜ日本では、CO2温暖化説を科学的にきちんと検証しないのか。

 それは、これまで散々、CO2を悪者にしてきた、政治家、役人、学者、マスコミ、環境関連企業にとって不都合だからに決まっています。

 焼却炉から出るダイオキシンが、周囲の人間の健康に悪影響が出る程の量ではないということが、科学的に明らかになっても、政治家や役人、学者、マスコミ、焼却炉メーカー等は、まったく知らん顔をしているのと同じ構図です。せっかく手に入れた権限・権益を、自分から手放す馬鹿はいないのです。

 こういう、「臭い物に蓋式」の対応が、いずれは、日本の命取りになるような気がします。

【臭い物に蓋】 みにくいことや不正な行為を世間に知れないように、一時しのぎの押さえをすること。一時しのぎの事なかれ主義で、表面をつくろっていても、根本を除かない限りかえって害悪はひろがるもので、後には命取りの大事に立至るもの。このような煮えきらぬ態度を臭い物に蓋式といって、その無責任さを責めるときに多くつかうことば。

 ちなみに、「臭い物に蠅たかる」という言葉もあります。

【臭い物に蠅たかる】 腐った悪臭にはすぐに蠅が群れるように、悪いものには悪いもの同志が集まることをいう。彼等は仲間を集めたり、徒党を組んだりして、衆をたのんで悪いことをする。一人立ちで事をするほどの強い意志力を持たないのが特色である。

 随分前に、「赤信号、皆で渡れば恐くない」という言葉も流行りました。

 国家予算を食い潰すしか能がない、産官学の共同体とその操り人形である政治家にとって、地球温暖化問題は打出の小槌なのです。温暖化で国民を脅せば、予算は使いたい放題なのです。CO2で温暖化するかどうかよりも、国家予算をどれだけ使えるかが、彼等にとっては大事なのです。CO2温暖化説のような重宝なモノを、科学的に検証し、自ら台無しにする馬鹿はいないのではないかと、私は思います。

(by 心如)
 


日本を愛すればこそ、警鐘を鳴らす―論戦2010

日本を愛すればこそ、警鐘を鳴らす―論戦2010

  • 作者: 櫻井 よしこ
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2010/06/18
  • メディア: 単行本


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大将

北〇鮮の事をとやかく言えないかもですね
by 大将 (2011-10-28 17:49) 

taro-u

日本の科学者?は論文をいちいち検証はしていないのでは。放射線被爆やオゾン層破壊やダイオキシンや今回の二酸化炭素などいとも簡単に検証できてしまうことなのでは。鼻からやる気が無いだけ、余計なことをして問題でも起こしたら、自分たちが安定した生活が出来なくなるリスクがあるから。
どうせ自分たちがやらなければ、一般人は検証するすべを持たないので気にすることはない。金にならない研究なんてするわけがない、みんな原子力村の人たちを見習っているのでは。先日の光よりも早い粒子の発見にも二の足を踏む学者?がいるのだから。
by taro-u (2011-10-28 20:50) 

心如

大将さん、コメント 有り難うございます
 他の国のことを批判するのは簡単です。でも、自分の国で起きていることを素直に認めるには勇気が要ります。
 たとえば、百年安心の年金制度なんて幻想に過ぎないということを認めるのは苦痛を伴うのです。うすうす、年金制度なんてあてにはできないと思っていても、自分達が将来、年金を受け取れないとは考えたくないと思います。

>CO2できわめて政治的な動きを展開してきた英国でさえも、
>CO2が温暖化の原因か否かを、疑い始めた今、
>日本こそ、もっと情報を大事にしなければならない。

 国民から、情報を隠すのが、日本の悪しき伝統だと思えてなりません。
by 心如 (2011-10-28 21:11) 

心如

taro-uさん、コメント 有り難うございます
 科学者にも色々いると思います。でも、日本の科学者は、曲学阿政の徒が多すぎると思います。
by 心如 (2011-10-28 22:20) 

shira

 円高差益ってのはどこに行ってるんでしょうかねえ。今のレートなら、例えばベンツなんか30万円〜50万円くらい安くなって然りだと思うんですが。ベンツは要らないけど。
by shira (2011-10-28 22:38) 

心如

shiraさん、コメント 有り難うございます
 ガソリン代、電気代、ガス代、日本はどれも高いと思います。円高になって、もっと値下がりしてもよいはずなのに。円高差益は、いったいどこへ行ったのでしょうか。
 マスコミは、こういう点もきちんと調査して報道しませんね。報道機関としての使命を放棄したマスコミに、存在価値があるのでしょうか。
by 心如 (2011-10-28 22:55) 

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