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そこは自分で考えてくれ(其の四) [科学]

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 左が欲しいと思っているMR-Gで、右が所有しているMR-Gです。最近、老眼が進み、液晶の小窓の表示が読み辛くなりました。新しいタイプは、日付や曜日の表示が大きく読みやすいのではないかと思います。

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『そこは自分で考えてくれ』(池田清彦/角川学芸出版)
平成二十一年三月十五日 初版発行

(P28より引用)

 世は挙げて地球温暖化のオオカミ少年キャンペーンに余念がない。もう20年以上前から、大変だ大変だと騒いでいるが、現在の所、さして大変なことになっていないのは、これまた素人でもわかる。地球温暖化を防止すると銘打ったインチキ京都議定書を守ると称して(実際には全く守れてないのだけれどね)、日本は去年(2006年)は1兆円、今年は1兆2000億円の予算を使っている。もちろん税金である。オオカミ少年たちは、地球温暖化がこのまま進めば、大きな台風が東京を襲うと警告している。だから地球温暖化を防止しなければならないのだと言って、毎年1兆円以上の税金を使う口実にしている。
 正義依存症の大半の国民ははっきり言って本当にバカだから、税金を注ぎ込めば、温暖化が防止できると思っているらしい。税金は環境問題をネタに利権を漁る一部の企業に横流しされるだけだということがわかっていない。オオカミ少年たちの言を信ずれば、地球温暖化は、人為的に二酸化炭素を放出することに起因するという。これを税金をかけて削減しなければならないと彼らは言う。しかし、これは全くのペテンである。人為的な二酸化炭素の増加は化石燃料を燃やすことにより生ずる。だから、石油と石炭の掘削をやめない限り、二酸化炭素は増加する。別言すれば、このことに言及しない二酸化炭素を削減するというすべての政策はペテンである。
 京都議定書は、二酸化炭素の削減策ではなく、これから放出される化石由来の二酸化炭素をほんの少しだけ減らしましょうという取り決めにすぎない。京都議定書を守ろうが守るまいが、いずれにせよ二酸化炭素は増えるのである。だから、人為的な二酸化炭素の放出が地球温暖化や、それに起因すると言われる気候激変(たとえば台風の増加)の主因だとしても、それらの天災を防ぐ方法は現時点では全くないのだ。具体的な計算をしてみよう。現在すべての国は化石燃料を燃やして二酸化炭素の増加に貢献している。京都議定書に入っている国は全世界の二酸化炭素排出量の30パーセント担っているだけだ。これらの国が全体として二酸化炭素の排出量を5パーセント削減しましょうというのが、京都議定書の取り決めである。何度も繰り返すが、大気中の二酸化炭素が5パーセント削減できるわけではなく、排出量の5パーセントを削減するだけだ。いずれにせよ二酸化炭素は増えるのである。
 さて、京都議定書が完全に守られるとして、全世界では30パーセントの5パーセントだから、全体の1.5パーセントの二酸化炭素排出量が削減されるにすぎない。京都議定書が存在しないとして、以後百年間で排出される二酸化炭素を100とすれば、京都議定書を守れば、それが98.5になるというだけの話なのである。オオカミ少年たちの言うように人為的二酸化炭素の排出により、将来恐ろしいことが起こるのが正しいとしても、京都議定書を守ろうが守るまいが、いずれにせよ恐ろしいことは起るのである。そのインチキ京都議定書を守るために、毎年1兆円以上の税金を使うという神経が私にはわからない。どっちにしても、政治家にとっては税金は他人の金だからね。ましてやそれに群がってくる環境利権企業にとって、こんなにおいしいお金はない。
 本当に温暖化により屋久島並みの台風が東京に来るとしたら、何の効力もない京都議定書に毎年1兆円を注ぎ込む金を、東京の防災に直接使ったほうが賢いことは小学生にでもわかる。真性の正義依存症の人にはわからないだろうけど、仮性の正義依存症の人の真の目的は環境などの正義をネタにした利権なのである。ヒトラーにだまされたドイツ国民になるのだけはやめてもらいたいと、これは冗談ではなく私は思っている。
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 大気中の二酸化炭素濃度の増加によって、地球が温暖化するという説が妥当だとしても、人為的な二酸化炭素の放出をゼロにすることは、いまのところ不可能です。

 世界の年間排出量を半分にすることすら出来そうにないのです。

 中国が、日本の年間排出量の半分に相当する量を、たった一年で増やしながら経済発展を続けていることを、過去の記事に書きました。たとえ、日本の排出量をゼロにしても、たった二年で中国がそれ以上に排出量を増やしてしまうのです。
 これは、日本の二酸化炭素排出量をいくら削減しても、温暖化防止効果はまったく期待できないことを意味します。

 池田清彦氏も書かれていますが、石炭や石油などの化石燃料をを掘削して使い続ける限り、大気中の二酸化炭素濃度は増加します。大気中の二酸化炭素濃度の増加が地球温暖化の原因だというのが正しいとすると(実証はされていませんし、科学的な根拠は希薄ですが…)、石炭や石油などの化石燃料の使用を止めない限り、温暖化の防止はできないことになります。
 省エネすれば、その分だけ温暖化を遅らせることは可能かもしれません。しかし、温暖化を防止することにはならないのです。

 人為的温暖化の信者の皆さんは、本気で地球の未来の環境を心配しているのでしょうか。もし、人類が放出する二酸化炭素が原因で、地球が温暖化すると本気で考えているのであれば、どうして化石燃料の使用を即刻止めようと言わないのでしょうか。
 石油漬けの農業で作ったものを食べ、都会でエネルギーを大量消費しながら、便利で快適な暮らしをしておいて、地球環境を守ろうなんて言っているとしたら、つける薬のない大馬鹿者です。地産地消がエコだというのは、日本の農業がどれだけ石油に依存しているかを知らない間抜けの発言だと思います。漁業や林業だって、石油がないと身動きできないのが今の日本なのです。

 何度でも繰り返しますが、たとえ日本が二酸化炭素の排出量をゼロにしても、地球温暖化防止効果はまったく期待できません。

 そんな無駄なことに、毎年1兆円以上の国家予算を浪費するくらいなら、東日本大震災の復旧・復興に使った方が、百倍賢いと私は思います。

(by 心如)
 



そこは自分で考えてくれ

そこは自分で考えてくれ

  • 作者: 池田 清彦
  • 出版社/メーカー: 角川学芸出版
  • 発売日: 2009/03/12
  • メディア: 単行本


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コメント 4

大将

温暖化論にしてもそこは自分で考えてくれ論も
頭からそうなんだぁ!とは行かないにしても
だから自分で考えるんでしょうが。。。
1兆円が温暖化に使われているとしたら復興に回してほしいですね
たとえ半分でも…
by 大将 (2011-10-22 07:59) 

shira

 おお、これはMR-Gじゃないですか。
 実は私、MR-Gを愛用しているのですよ。15年以上前、まだ子どもがいなかったころに、ちょっと気が狂って買ってしまいました。以来電池交換2回だけで元気に働いています。ストップウォッチ機能は英語の授業にとても重宝しています(1分間音読とか、いろいろやるのですよ)。
 途上国のCO2増加問題については、さんざんCO2を出してきた先進国に途上国を咎める資格があるのかよ、という反論しにくい指摘もあります。ただ、心如さんが言うように、予算を震災被害からの復興に優先的に使おうという姿勢が持てるとすれば、それはグローバルな環境問題への対処でもたぶん有益に働くと思います。
by shira (2011-10-22 20:40) 

心如

大将さん、コメント 有り難うございます
 そうです。他人の意見に振り回されるのをやめて、自分の意見を持つことが必要なんだと思います。
 効果の期待できない政策に、借金までしてムダなお金を使うくらいなら、もっと有効にお金を使うべきだと私は思います。
by 心如 (2011-10-23 02:36) 

心如

shiraさん、コメント 有り難うございます
 私も、MR-Gを愛用していますが、この写真のタイプではありません。最近、老眼が進み、小さな液晶の文字が見辛くなりました。このタイプなら、日付や曜日の文字が見易いので良いなと思いますが、買い換えるには少し高いので、当分無理だと思います。せめて写真だけでも眺めてようかと…

 人為的に排出された二酸化炭素が、地球温暖化の原因だというのが正しいとすれば、先進国とか途上国という分け方には意味がありません。人類全体で、二酸化炭素の排出を無くし、大気中の二酸化炭素濃度の増加を抑えるべきなのです。
 中国やインドはいくら排出量を増やしても全くお咎めなしです。アメリカは参加していませんし、カナダも撤退したのです。真面目に努力している日本だけが割を食うのはおかしいと思わない、馬鹿な国民が多すぎると私は思います。
by 心如 (2011-10-23 02:48) 

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