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そこは自分で考えてくれ(其の壱) [科学]

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『そこは自分で考えてくれ』(池田清彦/角川学芸出版)
平成二十一年三月十五日 初版発行

 京都議定書のカラクリ

 2007年の暮れにインドネシアのバリ島でCOP13(国連気候変動条約の第十三回締約国会議)が開かれ、ポスト京都議定書に向けての動きが始まった。クーラーのよく効いた会議場で、外にはエアコンをつけっぱなしの車を待たせておいて、地球温暖化対策の会議をやるという神経が私には解せない。会議に参加した多数のNGOの中からもさすがに批判的な声が上がったようだ。各国政府の要人たちは地球温暖化で困るなどとは本当は露ほども考えていないからだと思う。
 ジェームズ・ハンセンが1988年6月23日の暑い日に、アメリカ議会上院のエネルギー委員会の公聴会で、委員会室のクーラーを切って、「最近の異常気象、とりわけ暑い気象が地球の温暖化と関係していることは99パーセントの確率で正しい」と証言していらい、地球温暖化と、その主たる原因とされる大気中の二酸化炭素濃度の人為的な増大は、近未来の最大の地球危機として、あっという間に世界のマスコミの話題となってしまった。
 それ以来、地球温暖化は、あらゆる未来の恐怖の源泉となった。何とかしなければ、今のままでは、低地は海中に没してしまう。すさまじい台風がやってきて大被害が出る。マラリアやデング熱が蔓延する。食糧生産量が低下して人々は飢えの恐怖に直面する。
 ハンセンの証言以来約20年が過ぎ、日本では毎年三万人が自殺し、一万人が交通事故で亡くなり、地震で大被害が出たが、海中に没した田畑もなければ、台風で壊滅した都市もなければ、マラリアやデング熱が流行した様子も、食糧が不足して多くの人が飢えに直面したという話もない。危機を煽る人々は今世紀末までには必ず恐ろしいことが起こると予言するが、ノストラダムスの大予言と同程度の信憑性しかないのではなかろうか、と疑り深い私は思っている。
 予測の元となるのはコンピュータ上のシミュレーションである。巨大なコンピュータを動かしてデータを沢山放り込めば、素人を驚かすには充分な予測は確かに可能だろう。しかし、どんなに金を注ぎ込んでも、未来の気象予測などというものは原理的に不可能なのだ。それは気象現象は決定論的な系ではない所からくる。たとえば、惑星の運行はほぼ決定論的な系である。だから、百年後の太陽と地球と月の位置関係はほぼ確実に予測できる。ひるがえって気象についてみれば、一週間後の天気さえ当たらないことは誰でも知っている。気象は典型的な複雑系であり、非決定論的な系だからだ。
 百年後の地球の平均温度の予測などというものは、たとえて言えば、十年後の日経平均株価の予測と同じようなもので、不確実なことこの上ないと私は思う。確かに、人為的な二酸化炭素濃度の増大などのようなある程度予測可能な要因だけが変数で、それ以外の要因が安定であるならば、予測は当たらずといえども遠からずになるだろう。しかし気象の変動に関しては、人間がコントロールも予測も不可能な要因が多い。たとえば、太陽の活動を予測することは難しい。もし、三十年後に太陽の活動が急激に低下するようなことがあれば、現在のコンピュータシミュレーションの予測は即、ゴミ箱行きになってしまう。

次の記事に続く)
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 気候変動の要因が、大気中の二酸化炭素濃度の増減だけであれば、ある程度の予測は可能だというのは分からないでもありません。

 しかし、過去の気候変動をみると、人為的な二酸化炭素の排出がなかった時代も、地球の気候は大きく変動しているのです。これは、大気中の二酸化炭素濃度以外のものが、地球の気候を大きく変動させる要因であることを示しています。
過去2000年の平均気温の推移.jpg

 あたかも、大気中の二酸化炭素濃度だけで気候変動が起きており、人為的な二酸化炭素の排出量を減らせば、地球の温暖化を防止できるという話は、幻想であると言わざるをえません。

 そういう幻想をばら撒いているのは、環境省(政府)とマスコミです。このままでは地球が温暖化して大変なことになると脅して、国民から金を巻き上げるのが目的なのではないのでしょうか。
 その流に加担し、研究費やポストを得ようとする科学者が大勢いるのも事実のようです。そんな状況を見ていると、この国が科学技術立国を目指しているなんて、国民を愚弄する悪い冗談としか思えません。

 そうではないと言うのであれば、大気中の二酸化炭素濃度と地球の平均気温に相関がないのはなぜかを、きちんと国民に説明すべきだと私は思います。

(by 心如)
 

 



そこは自分で考えてくれ

そこは自分で考えてくれ

  • 作者: 池田 清彦
  • 出版社/メーカー: 角川学芸出版
  • 発売日: 2009/03/12
  • メディア: 単行本


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コメント 1

大将

人知の届かないところには
いろんな要因で複雑に変化をするだろうし
人から見て変動でも
地球規模で考えれば当たり前の事かもしれないと思います
by 大将 (2011-10-19 08:23) 

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