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朝日新聞のサイエンスって…!? [社会]

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http://www.asahi.com/science/update/0824/NGY201108240022.html
2011年8月25日17時33分 朝日新聞 ニュース>サイエンス
『砂から太陽電池、砂漠で発電 東大などが新エネ構想』

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 サハラ砂漠の砂から太陽電池を作り、超伝導で都市に送電――。東京大、東京工業大、中部大などの研究グループが24日、名古屋市で開かれた「アジア・アラブ持続可能エネルギーフォーラム」で、新しいエネルギー供給モデルを発表した。

 サハラ・ソーラーブリーダー(SSB)計画と名付けた研究は2008年にスタート。太陽電池の材料には主にシリコンが使われているが、砂漠の砂にシリコンが多く含まれていることに着目。砂からシリコンを取り出して太陽電池を作り、日差しの強い砂漠に置いて発電する仕組みを考えた。

 超伝導は、物質をある温度以下に冷やすと電気抵抗がなくなり、これまでの高圧線による送電の10倍以上に効率が高まるという。

 中部大の超伝導・持続可能エネルギー研究センター長を務める山口作太郎教授は「東日本大震災による原発事故以降、エネルギーの安全性が求められている。SSB計画は技術的には5年ほどで可能」と話す。
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 サハラ砂漠の砂に、太陽電池の原材料となりうるシリコンが含まれているのは事実だと思います。
 また、晴天が多い砂漠に、太陽電池パネルを設置すれば、太陽電池の稼働率が高くなるのも期待できると思います。

 問題なのは、砂に含まれているシリコンから太陽電池を作るには、膨大な電力が必要だという点です。まさか、遠く離れた発電所から、長い送電線を使って、サハラ砂漠に電力を供給するのでしょうか。そんな効率の悪い事をするくらいなら、電力が豊富に使えるところで、太陽電池を作ったほうがいいと、私は思います。

 記事に、
「超伝導は、物質をある温度以下に冷やすと電気抵抗がなくなり、
 これまでの高圧線による送電の10倍以上に効率が高まるという。」
と、いう記述があります。
 これが、もし事実だとすると。従来の高圧線による送電の効率は10%未満だということになります。そうでなければ、送電の効率を10倍以上に高める事は不可能だからです。
 これって、従来の高圧線による送電では、発電した電力の90%以上が無駄になっており、有効に使える電力は10%未満だと言っているのと同じなのです。

 これは、どう考えても間違っていると思います。この記事を書いた記者は、効率と損失の概念をよく理解していないのだと言わざるを得ません。
 本来は、送電ロス(損失)を十分の一以下にできると書くべきだったのです。つまり、従来の高圧線による送電では、送電ロス(損失)が十数パーセントくらいあった。超伝導送電ができれば、送電ロス(損失)を十分の一以下の1%未満にできると言うのなら、なにも可笑しくないからです。

 朝日新聞は、このての、科学的に見ると可笑しな記事をよく載せます。多分、文系の優秀な人間はいても、理系の優秀な人間がいないのでしょう。しかし、こういう科学リテラシーのないメディアが、地球温暖化のような科学的な根拠に乏しい仮説を大騒ぎし、国民をミスリードするから、話はややこしくなるばかりなのですが。。。

(by 心如)
 


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コメント 3

jack

まさしくおっしゃる通り、それに何もしないで超伝導状態に出来ないでしょう、
大概温度を下げて超伝導状態にするのですから、冷やす方にエネルギーを使いそうです。
エネルギーの話をするときベースにエネルギーが必要と言う観点で話が進むけれど、エネルギーを使わない方向へ持っていく技術革新は無いのでしょうか? 技術革新の裏に金儲けが付いてこないものはダメなのでしょうが。
砂漠でのこんな行為は自然破壊とは言わないのでしょうか?
by jack (2011-08-27 18:36) 

大将

送電するためには送電線でも超伝導でも
何らかの物質を通す必要があるから無駄は当たり前にでる
いくら超伝導でもゼロにはならなければ
実際問題として仮に10倍としたって距離との因果関係も出てくるでしょう
今、現実的にはサハラ砂漠から電気を運んでいるという事実はないはずですから
by 大将 (2011-08-27 21:36) 

BPノスタルジックカーショー

おはようございます。

日本は知恵で勝負するしかありません!!
by BPノスタルジックカーショー (2011-08-28 04:14) 

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